今週は比較的ゆっくりとした日程となっている。月曜日には大あわてしたはずであるが,処理すべきことが順調に進んでいることがこうした気分にさせているのであろう。自宅に一応仕事を持って帰っているのであるが,でれっとテレビを見て時間を過ごしてしまう。それでも追いまくられているときは,机に向かわざるをえないが,そのまま過ごしている私に妻からも最近は仕事をしないねなどと言われて私のゆったりとした気持ちへの変化に気づいていたようである。rnrn今日は,交通事故相談センターの無料法律相談を担当した。1件のみの相談であった。コーポの駐車場で同じ居住者に車両を破損されたという事案で,物損だけでその修理費は保険会社から支払われたものの謝罪の言葉が無く,誠意が感じられないので,なんとかきちんと謝罪させ,嫌な思いをさせられたことへ償いをしてもらいたいとのことであった。同じコーポに住んでいるにも関わらず,事故をしたのに無視するような対応でその後の謝罪もない状況であるようであり、その腹立たしい気持ちは理解できる。しかし,法律はその謝罪することを強制することはできない。それはその人の心の問題であり、人格の問題であって,法が謝罪を強制するわけにはいかない。その不誠実な態度を理由に慰謝料請求ができるかといえば,これまた一般的に言えば無理なことである。人格権の侵害であれば慰謝料が発生する。名誉の侵害,人体への侵害,婚姻関係の破綻などの場合である。たとえば詐欺とか窃盗になどのように財産権のみの侵害の場合は,損害賠償などによってその財産的損害が回復されたとして慰謝料が発生しないのが原則である。今日のような事例で慰謝料が発生することはまずないと考えてよい。嫌な思いをしたかもしれないが,好ましくない隣人を持ったと思い慰謝料はあきらめた方がいいと助言した。この説明で納得されたかどうか,,,,。rnrn財産的損害であれば損害賠償だけで常に満足しなければならないかと言えばそうではない。豊田商事のように悪質な手段によって耐え難い被害を及ぼしたときは慰謝料が認められた例がある。私も先物取引被害で,損害賠償とともに慰謝料請求が認められた事例を経験した。この事案は,財産的損害である先物取引被害に関して初めて慰謝料が認められた事案である。私には慰謝料に関し,もう一つ日本でいや世界で最初の判決がある。カルト集団の行った伝道・強化活動そのものに違法性があり,元信者にその違法な伝道・強化による精神的損害の賠償として慰謝料を支払えという裁判であった。「青春を返せ裁判」と呼ばれた裁判である。この二つの初めて慰謝料に認められた裁判は,同種の裁判においてその後いくつかでているが,最初の判決例という名誉は?いつまでも消えることはない。いずれも私の思い出の判決である。
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- カルト被害を考える会 に 田所眞紀 より
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慰謝料
2007年2月23日
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