不動産鑑定

2007年2月19日

朝から新居浜にでかけ,用務をすませた後に松山まで足を伸ばして坊ちゃん湯につかって帰ってきた。友人でもある不動産鑑定士と一緒の旅であった。3000年の昔から湧き続けている道後温泉の熱めのお湯につかってきたため,帰宅しても体がさっぱりとした感覚が残っていて,この心地よさがおそらく熟睡をよぶことになるだろうと思う。rnrn高松高裁での事件に関して,新居浜の物件について既に地元の不動産鑑定士が鑑定書を提出している物件の換価可能金額の評定が必要となったので,友人の不動産鑑定士に無理を頼んで同行してもらい,現地で一応の鑑定評価を試みてもらった。通常,こんな依頼は不動産鑑定士は受けてくれない。正規の鑑定ではないし,そもそも鑑定とも言えない内容であるからだ。今日の調査の結果は,私の責任で最終的には意見をまとめて訴訟の相手方に渡すつもりである。現在,裁判所で和解手続き中であるが,和解の合意が成立するためには相手方の提出している鑑定書の金額が相当低く訂正されなければ難しいという事情がある。rnrn不動産鑑定は,不動産鑑定士という資格にもとづいて客観的な不動産価値を鑑定するのである。従って,鑑定価格をこちらからお願いすることはできないし,高めにしてほしいとか低額に鑑定してほしいなどと特別な要望を聞いてもらえる訳でもない。依頼者の要望にそって適当に変わるような内容であれば,そもそも鑑定は不要である。行政からも,企業からも独立して鑑定される。しかし,一定の不動産が対象であれば誰が鑑定しても同じ価格になるかといえばそうではない。あるべき不動産価格はどうあるべきかという基本的なところでスタンスが異なる場合がある。また,今後の経済の動向等についての判断が異なれば不動産価格についても判断が分かれたりする。友人は,この不動産鑑定の独立性について誇りを持って鑑定していて,決して依頼者の要望を考慮することはしない。そうした仕事が鑑定士としてのやりがいであるとの信念を持っている。そんな彼であるから,今日のような仕事をお願いすることは特に気が引けてしまう。このことは友人の見識を利用して,私の判断として主張することで折り合いをつけた。こうして,休日に無理をお願いした友人に「このまま道後温泉に行ってみるか」と誘ったところ,乗り気だったので出かけた次第であった。rnrn新居浜から特急電車にのって松山に行き,タクシーで道後温泉に,1時間ほどの入浴時間をとって今度は路面電車で松山駅に,再び特急電車で2時間30分で岡山に午後8時に着いた。さすが道後温泉である。観光客で道後温泉本館あたりは浴衣姿で散策している若い女性たちでにぎわっていた。土曜日は東京,日曜日は新居浜,松山,明日月曜日は新見の裁判所と出張が続く。決して私は出歩くのが好きだというわけではない。休日は自宅でのんびりと過ごしたい方である。休日に出張があるとけじめがなく1週間が始まり,精神的には十分に休んだはずなのに,休日がお預けとなって損をした気分になる。

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