先物取引被害110番

2007年2月16日

全国各地で弁護士会が中心となってで先物取引110番が行われた。平成16年に消費者保護に関する商品先物取引法の大きな改正があり,その後の金融商品取引法の制定に関しても他の金融商品と同様に商品先物取引に関してさらなる規制の強化が論議されたが,そのままになっていた。被害救済の実務を担当している現場では,平成16年改正の結果でも被害の発生は相変わらず続いていることを実感している。平成16年改正は,平成17年からの施行になっているが,この施行後も従前と変わらぬ勧誘がなされ,改正法に反する勧誘による被害が続発している。私の訴訟提起事案でも法施行後のものがある。教師の退職後の退職金をわずか1週間の取引ですべて奪ってしまったという事例である。こうした取引は,改正法の国会審議でも論議されたが,不招請勧誘を禁止することが一番の被害防止につながる。今回の先物取引被害110番の実施は,こうした被害の実態を明らかにする意味があった。私もこの相談担当になっていたのだが,ニュースで相談の様子が放映されて写っていたらしく,知人から電話があった。妙なことで思い出してくれ,そしてついでに電話での別件の法律相談であった。rnrn帰宅するともう10年以上も前に事件を担当していた鳥取に住んでいる元の依頼者からズワイガニが届けられていた。この方からは季節ごとにいろんなものを届けていただいている。本当にいつも恐縮している。事件を担当している時に雑談をしていて,私がこの世の中で一番うまいものはかにで,かにのなかでもズワイガニが一番うまいなどと話をしていたことがあり,たぶんそのときの話を覚えていて送ってくれているのだと思う。かにがうまいと思うのは本当であるが,このように気を遣わせてしまったかと思えば,人前でうっかり好きなものを話をすることは慎重にしなければならないと思う。不思議なことで,この10年以上も前の事件のことを昨日修習生に話をしたばかりであり,そしてそのときの事件の関係者が今日東京から事務所にひょっこりとご挨拶に寄っていただいたりしたことが重なっていた。この事件は労働事件であったが,地方労働委員会でのあっせん手続きを深夜2時まで行い,あげくのはてに「いつまでもがんばっていると弁護士が儲けるだけであなた方にとっていいことはないよ」と言った斡旋委員長の言葉に労働組合員が激昂して決裂したという思い出の事件である。この事件は,こうした手続き外で労働者側に十分に満足のいく解決金が支払われて解決をすることができた。午前2時をさす時計の前で皆さんと写真を撮った。先日午後7時まで裁判所で労働仮処分事件の審尋があったときも,時計の前で記念写真を撮った。午前2時まで行われた事件のことが思い出されたからであった。

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