動きだしたクレジット契約法規制

2007年2月8日

前にサラ金被害がグレーゾーン金利廃止で減少し、こんどはクレジットの法規制が必要だと指摘した。この動きが現実に始まったようだ。高齢者がクレジット契約を使った悪質商法の被害にあうケースが深刻化しているとして割賦販売法、訪問販売などを規制する特定商取引法をセットで改正する方向で経済産業省で検討が始まったとのことである。rnrnこのクレジット契約は法律的にみれば複雑な関係である。消費者と販売会社との間には物の売買契約があり、消費者とクレジット会社との間にはその代金の立て替え払い契約がある。さらに、販売会社とクレジット会社との間には代理店契約のような契約で結ばれている。しかし、消費者の目からみれば、単純にクレジットで物を買うというひとつの契約としか理解できない。法的には、基本的にそれぞれが独立した関係にあるのである。売買契約が解約されても、当然立て替え払い契約は解約されたことにはならないなど消費者の意識とずれた法構成となっている。rnrnこうした、特性から悪徳業者は不当に高価な商品をどんどん売りつけたり、粗悪品を購入させたりして一時的な利益をあげ、クレジット会社は契約がおかしいものであっても基本的には売買契約に関与することなく立て替え払い契約を次々と成立させ、利息制限法の適用のない手数料という高い利息を徴収する。その結果、悪徳商法と簡単にクレジット会社が結びつき、悪質な業者と利益を分配しているという構図が生まれる。クレジット会社の販売会社の適正な管理、サラ金と同様に立て替え払い契約を成立させる場合の審査をしっかりと義務づけるなどの制度が整えば被害は相当減少するであろう。rnrn私も、年金暮らしのお年寄りに次々と不要の高額商品の立て替え払い契約を成立させたクレジット会社から支払いを請求されている事件を処理している。販売会社の管理責任、過剰与信の責任を指摘しているのであるが、法改正前の状況で争うのであるから容易なことではない。是非とも被害発生を未然に防ぐことのできる法改正を実現したいものである。かつて、販売会社に対して欠陥商品などを理由にクレームをだしていても、クレジット会社にそのことを対抗できるという法律がないころ、この考えは消費者の常識に反すると争って勝訴判決を得たことがある。こうした動きが全国的に広がったとき、法改正で一定の事情が対抗出来る明文ができた。法に規制がなくてもおかしいと思ったことは主張し、それが社会常識にまでになれば法律も変わる。我々の立場で法を動かすとはこういうことだと思っている。法改正が実現したグレーゾーン金利がなくなった時のように法律家の果たさなければならない責任は大きい。

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