山陰

2007年1月29日

鳥取県倉吉支部に弁論準備期日のためにでかけた。倉吉はラジューム泉で有名な三朝温泉にも近く、できれば車で行って温泉にでもつかって帰れればいいとは思ってみたが、この時期はおそらくは雪でノーマルタイヤの私の車では危険であると思い、行きは伯備線で米子まで行き、そこから多分山陰線で鳥取の方向に行く特急電車で倉吉に行った。岡山駅から約3時間の行程である。鳥取は同じ中国地方ではあるが、なんとなく暗いイメージがあり、なじみがなくめったに行くことがない。いつもは山陽側とは気候も明らかに違うことを実感する。rnrn岡山を出るときは幾分冷たい空気を感じていた。山陰は雪が吹雪いているかもしれないと勝手に想像していた。車窓からみる外の景色は、高梁、新見と北上していってもほとんど変わることはなかった。新見付近では路面が濡れているようで冷たそうに感じた。新見から10分ほど行くと急に吹雪いている状況となり、やがて屋根の上や、路肩に雪が積もっている光景となり、そしてやがて一面の積雪がみられるようになった。やはり山陰に、車で来ることを考えるなんてとんでもなかったと思った。しかし、そう思ったのもつかの間、おそらく中国山地をこえたころと思われるところになると空は晴れ渡り、どこにも雪を見ることができなくなった。窓には温かい日光がそそぎ、空は青い。これが山陰かと疑いたくなるような光景であった。米子から倉吉への約30分間の所要時間であったが、車窓から風力発電の風車があちこちにたっているのが見えた。ドイツでみたあの光景が山陰にあったのである。身近なこんなところにたくさんの風車があることは知らなかった。不思議であったのは、その風車はいずれもピタリと止まったままであったことである。天気のいい今日はたまたま風がなく止まっていたのか、役立たずになっていたのかそれはわからない。奇妙にも見た風車はどれも動いていなかった。rnrn岡山から倉吉に通じる一般道路は途中人形峠を通る。日本で初めてウラン鉱石を発掘したところだ。その場所にこの風力発電の光景は奇妙な取り合わせである。その関係はどうなっているのか考えてみるとおもしろそうだ。最近、人形峠でウラン鉱石で作ったガラス工芸品が販売されるようになったとのニュースがでていた。妖しい光を放つのが魅力とのことであるが、放射線を放つ人類に大きな負の遺産を残しつつある原子力のもとになる物質を含む製品である。全く動いていない風車をみて、山陽のような気候だなと思うと同時に、妖しい光の話がふと頭のなかに思い起こされた。rnrn帰りは、米子に列車ででて、米子から高速バスで岡山まで帰った。ほとんど雪を見ることなく帰った。「不都合な真実」がここでも進行しているのかもしれない。

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