昨夜は、文学座公演「踏台」を観劇した。角野卓造、渡辺徹さんらが出演し、おもしろい舞台であった。「団塊トリオが巻き起こす絶妙な笑いの渦」の宣伝文句どおり、テンポのよい進行のなかに笑いあり、悲哀あり、そして元気のでるような前向きな姿勢をアピールするストーリーである。rnrn徹夜で仕事をしているような活気のある会社のオフィスに定年近い年齢で会社が倒産し、清掃会社に勤務する団塊世代の3人組が清掃に入り込み、その中で世代的な意識の違いがクローズアップされ、そのぶつかり合いのなかでおもしろい人間関係が浮かび上がって笑いをさそう。この団塊3人組にはやはりみていて時代的な共感を感じる。またそうしたことが、外からは団塊世代として色眼鏡でみられたり、超えられない壁を作られたりする意識をもっていることを感じさせられた。どこかで、団塊世代ってなにか悪いことをしたか?と問いかけてみたくなる気分にさせられる。rnrn切磋琢磨はあっても、人数が多いからと言って別に人をけ落として自分だけが良い思いをしようなどとみんなが考えていたわけではない。人数が多いだけに同じ傾向の動きをすれば、社会に対しても大きな影響を与えてきていたことは事実であろう。決していい加減な世代ではなく、一生懸命な世代ではないだろうか。私にとっては、大学紛争が燃え上がったその現場を経験したことが団塊の世代といわれる魂をもったと思える。常に「大学とは何か」「学問とは何か」というような問いを日常的に問われてきた。新宿西口広場を埋め尽くす人々が、あちこちで輪になってなぜ学生たちは激しくデモをするのかなど政治について議論をしていた。それを機動隊が排除するようになり、新宿騒乱事件が起きた。その時代のなかで学生生活を送り、青春時代を過ごした。いま、団塊の世代は、今年からそろそろ定年を迎える。やはり一生懸命生きてきたなという思いはある。でもこれまでの経験でもっといい仕事ができるのではとも思える。まだこんなことを考えるのが、壁を作られてしまうのかもしれない。来週は、中学の同窓会がある。それぞれの人がどのような人生を歩んできたか、同じ思い出をもつ皆さんに会えることが楽しみである。
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団塊
2007年1月28日
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