私が還暦なら憲法も還暦

2007年1月24日

澤地久枝さんの講演会にでかけた。県内の「9条の会」が開催した集会であった。憲法が施行されたのは昭和22年5月3日である。私はその前日の5月2日に生まれ、5回目の亥の年であり、還暦である。憲法も還暦を迎えたことになる。この60年間、軍隊として他国の人を傷つけることはなかった。他国からも侵略を受けることはなく、誰一人殺害されることもなかった。誇りにすべき事実である。アメリカはベトナム戦争で大量の人々を死に追いやっている。近くは大量破壊兵器を保持しているという理由をつけてイラクに侵攻し、今でも多くの被害者を出し続けている。しかし、その兵器は未だ見つかっていない。被害者は侵攻したイラクの国民であり、侵攻する側の兵士たちだ。アメリカ国民も大きな被害を被っているのである。そのうえ、解決の目途は全くたっていない状況である。一方、日本においては憲法改正の国民投票法案が国会で審議にはいろうとし、安倍首相は憲法改正への道筋をつくろうとしている。防衛庁は防衛省に格上げとなった。きな臭い臭いがしている。rnrn何らかの形で戦争の被害にあった人は今を生きている日本の中にもまだ数多くいるはずだ。どの家庭でも戦死者に繋がる親族がいる。自分中心に自己の幸せ感に浸っている「スピリチュアルに陥る人」はこのことをきちんと一度考えてもらいたい。本当に霊がたたるのであれば、日本国中どこでもさまよう戦争被害者の霊に必ず出会うはずなのだ。しかも勝ち目のない戦争で命を失ったのであるから、為政者への怒りも大きいはずである。ただ自分だけのこととして霊を考えるのではなく、歴史的に慎重に事実を検討して欲しいと思う。きっと戦争への参加についての謝罪の気持ちがわき起こるであろう。こうした反省もできないで、スピリチュアルを論じるのはインチキではないか。背後霊がどうこうという以前に、日本の人それぞれが戦争加害者であり、また被害者であり何らかの形で日本のほとんど全員がこの戦争に関わっていたのである。rnrnきょうの集会は市民会館一杯に人が埋め尽くしていた。冗談ではないが、戦争が始まっても決してお呼びのかからない年代の人が多く集まり、ただちに招集対象になるような年齢層の参加が少ないのは気がかりである。

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