生命の危険の対価

2007年1月5日

高レベル放射性廃棄物の処分候補地の応募がなく、候補地として応募した自治体に従来2億円の初期交付金を10億円に増額することに決めたとの報道があった。この廃棄物を地下300メートル以深の地質的に安定した場所に埋設する計画である。広大なアメリカでさえ、この条件に見合う地質は見つからないと言われている。あちこちに活断層が走ってプレートが動いている日本でこうした地質がある訳がない。要するにお金に苦しむ自治体に交付金と引き替えにうけいれさせようというのである。夕張市にでも引き受けさせようと思っているのだろうか。お札で人類の安全を買い取ろうというのだろうか。現状は高レベル廃棄物は仕方なく、目のみえるところで、管理していて処理の方法がなく貯まるだけの状況なのだ。rnrn環境先進国と言われているドイツのドレスデンからベルリンまでを列車で移動した。途中あちこちで風力発電の風車が並んでいる光景をいくつかみた。また原発の施設らしい建物も何基かみたがこの沿線では水蒸気をあげて運転している様子はなかった。しかし、フランクフルトの近くではもくもくと水蒸気をあげていた。脱原発の動きは進んだり後退したりとなかなか先が見えてこない。rnrn京都大学原子力研究所の小出裕章先生からいただいた年賀のご挨拶の一部をご紹介する。rn「原子力からの撤退、いやむしろエネルギー浪費社会からの脱却は相当に難しいことと思います。rn でも、やるべき方向が間違っていなければ、後は一歩一歩行くだけです。rn きっと、ドイツもスウェーデンも少しずつ脱原発に向かうと思います。rn 原子力の燃料であるウラン資源がもともと貧弱であること、事故時のリスクが大きいこと、生み出す放射性のごみの始末の方法がないこと、どれをとっても原子力に依存すべきでない理由になると思うのですが、それでも河田先生も書かれているとおり、なかなかしぶといです。rn 昨年は六ヶ所再処理工場まで稼動を始めてしまいましたし、今年は、高レベル核廃物の処分場をめぐる動きがいよいよ正念場になりそうです。rn 自分の非力を思うこともしばしばですが、諦めずに、自分のできることを探したいと思います。」

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