巧妙な振り込め詐欺

2006年12月21日

ヤミ金や振り込め詐欺が横行したことから、岡山県はヤミ金相談窓口を特別に設けて対応している。今日の午後の相談を担当した。2件の予約であったが、結果的には1件のみの相談であった。被害はたくさんあると思われるが。その被害者がこのような窓口に達することができないことが問題なのであろう。rnrnこの1件の相談は、なかなか巧妙な手口の振り込み詐欺であった、「UFJ 日本信販 ニコスカード」と綺麗に印刷され、三つ折りされたハガキ大の封書で融資の案内がされているのである。ちょっと見ただけでは日本信販からの案内だと見間違ってしまう。相談者も振り込め詐欺があることは事前によく知っていた。しかし、日本信販からの案内だと思いこみ、安心して融資の申し込みをした。書かれていたフリーダイアルと固定電話の二つの電話番号に電話をして、日本信販であることを確認した。そこからあとの手口は振り込め詐欺そのものである。融資に先立ち保証料の支払いを要求し、振り込むと振り込み名が間違っているからもう1回やり直せと指示があり、さらに手続き費用が足らないのでさらに振り込みを誘うのである。さすが、ここまでくれば騙されたことに気付く。念のために封書に記載されていた固定電話に電話してみた。「はいこちらはニコスカードの日本信販です」と対応する。「違うでしょ」というととたんにヤクザ口調となる。相談者が被害にあってから既に3週間が経過している。まだ続けているのである。県の担当者によれば、シール付きのハガキでもっと本物らしくみえるものが送付されてきた被害者もいたとのことである。もともと生活資金も乏しい人たちをターゲットに、このようにしてまで手の込んだ方法をとって金を得ようとするその卑劣な心の貧しさに腹が立つ。ひとつ一つの事件を警察が適切に捜査をして、犯人を検挙していくしか被害の撲滅はない。相談を受けても、有益な被害回復につながる方法を弁護士として提供できないもどかしさを感じる。

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