バリアフリー

2006年6月13日

ワイズメンズクラブ西日本大会には岡山から車椅子の身障者のメンバーと一緒に参加した。自力では自分の体を支えることもできない状態ではあるが、残されたわずかの指の力で電動車椅子を器用に操作していて、彼の行動範囲は岡山でも結構広い。メンバーのあいだでは暴走族だと冷やかされている。その彼が新幹線にのり、名古屋に行き、名古屋では地下鉄を乗り継いで会場につき、宿泊ホテルとの往復もすべて車椅子でおこなった。そのいくつかの過程に同行した。rnrn今までは、駅の移動などどのようにして行うのか考えたこともなく、その設備も特に気を付けて見てきたわけではない。しかし、彼に同行してその設備がかなり整っていることに気付かされた。しかし、普通に行動していてそのことに気付かない程度にか整っていないともいえる。今回の全行程は車椅子を降りることなく全て行動できた。歩道橋のようなところ、地下鉄、新幹線のいずれの場所もエレベーター設備があった(エレベーターに乗る毎にメーカーが気にはなったが)。地下鉄の乗車、降車、乗り継ぎも切符を購入する時に車椅子使用であることを伝えるとその全ての駅に気持ちよく連絡をしていただき、それぞれの駅で車椅子で乗降できるよう車両とホームとの間に板を準備してくれた。意外とやさしい社会となっているのだと改めて認識した。人にやさしい設備のあるところは、そこで働く人も優しくなれるのかもしれない。優しい設備がもっと我々の目に付くところに多くなってほしいものだ。rnrnところで、こうしたバリアフリーの設備はヨーロッパでは進んでいて、日本では遅れているかのようによく言われる。私もそう思っていた。しかし、必ずしもそうではないことを経験した。昨年パリを旅行したとき、地下鉄にのれば迷路のような狭いホームを駆け足で移動し、ほとんど駅員の姿はみかけなかった。アールヌーボーの地下鉄の標識はあっても、エレベーターの存在には全く気付かされなかった。バスではドアは自分で開けなければならないし、降りる駅が近づけば席をたってドアのところにたっていなければ停車もしてくれない。停車するまで動くなと親切にアナウンスのある日本と大きな違いである。モンパルナス駅の動く歩道は駆け足のスピードで動き、乗り降りするとき躓きそうになるくらいであった。ここでもきっと体の不自由な人もいっぱい生活しているはずだ。この街は、弱者にとって厳しい街なのか、あるいは設備はなくても人の優しさでカバーされているのか。結構、日本は優しい社会なのではないかと思わされた。

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