車窓から

2006年12月14日

午後から大阪家庭裁判所での遺産分割審判事件のため、新幹線に乗って新大阪まででた。先の旅行ではプラハからドレスデン、ドレスデンからベルリンへの移動はICE(インターシティエクスプレス)という特急列車をつかった。いつもはなにげなくみていた景色ではあったが、ICEからみた車窓からの景色と今日のみた景色との違いを強く感じた。rnrnエルベ川に沿って両岸にところどころに歴史をもった民家が集まり、その家々はそれぞれが大きい。また北海道の平原と同じような光景が延々と続くところを列車が走る。風力発電のプロペラが平原のなかでゆっくりと回転している風景があった。なにもかにもがゆっくりとしているのである。きょう見た光景は、どこをみてもぎっしりと小さい家がひしめき、その家並みがほとんど切れ目がない。ある意味見慣れてきていて特に不思議とも思っていなかったが、きょうは少し異様に感じられた。おそらくヨーロッパからきた人たちの目でみれば驚きであると思う。新幹線も機能性は充分であり、コンパクトでシャープである。そして、速い。乗っている人々もせわしなく入れ替わる。ICEでは椅子は固定されていて回転しないし、座席指定の車両を探すのさえ苦労したが、誰も文句は言っていないようだし、車掌は検札が終わるとおしゃべりをしながらコーヒーを飲んだりしている。なんだか列車自体がオレは偉いんだぞといわんばかりに存在している。なぜこんなに小さい家が狭くぎっしりとどこまでも建っているのだろうか、こんな狭いところでどのようにして暮らしているのだろうか、どうしてこんなに人が忙しそうに移動しているのだろうか、新幹線はスピードを上げ続けなければならないのだろうか、、、、、。狭い国土で、人口密度が高く、資源に乏しく生産性をあげなければ成り立つことができない日本の条件で仕方のないことであろうか。当たり前だと思って生活している我々ではあるが、かなり特殊な世界に生きていることを認識しておくことも必要なのだと思った。rnrnプラハからドレスデンは途中、国境を越えるインターナショナル列車である。チェコからドイツにはいった最初の駅でしばらく停車する。しばらくすると2名の警察官のような制服をきた人が無言で入ってくる。乗客にこれまた無言のままパスポートの提示を求める。一人がこれをチェックし、何やらスタンプを押すともう一人にそれを渡す。もう一人もそれをチェックしてスタンプを押し、返してくれる。どうやらそれが出入国管理であり、チェコからの出国を確認し、ドイツへの入国を許可された一瞬であったのだ。終始無言のまま儀式が行われた。チェコはEUに加盟していないので出入国管理が必要なのだ。おもしろい体験をした。

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