重い一日

2007年4月17日

前にも同じ題で書いたような気がする。この数年,毎日が重い日の連続である。よく言えば,仕事が充実しているとも言える。

朝事務所に行くと急ぎの仕事や,すぐに着手しなければならない記録を机に置いたままにしているのが目に入る。脇にはこれまたやり残している事件を私なりにメモしたものを壁に貼り付けているのを眺める。もっとも急がなければならないものから手をつける。その前にパソコンのチェックである。メールで処理中の示談交渉中の相手方からのメールに返事をし,状況を当方の依頼者に伝える。電話がなり,レイプされたという相談の交渉相手の弁護士からの電話である。相談者にも連絡をとり,当方の基本的な対応を相談する。

ある会社からのM&Aの相談である。比較的単純な案件ではあったが,経済的な影響は大きい相談なので,慎重にはなる。そして,昨年8月に死亡事故を起こしてしまった人の相談である。一瞬,太陽の光に目が眩み,前方を見失い,お年寄りと子どもとをはねてしまった死亡事故である。任意保険の書き換え中だったとかで保険が切れていた。きびしい事案である。どうしても今日中に出しておかなければならない事件の原稿が見あたらないことに気づいた。あわてて手書きで裏紙に殴り書きをして事務に手渡した。私が午後からの接見をしている間に処理されることになるだろう。

午後から先日の刑事事件の被告人に上告についての相談で拘置所への接見であった。1審判決に比べ,2審判決は丁寧に有罪の理由をしつこく理由付けしてきた。それだけに被告人としては耐えられないというべきだったか。どうしても最高裁に上告したいという結論であった。事務所に帰ると,最近の火事で兄弟を亡くしたという遺族の方々の相談であった。病身の母親にはまだその事実は知らせていないという痛ましい事件である。関係者の複雑な法的関係の整理が大変である。そして,次には夢をもって別荘を購入したものの欠陥住宅で訴訟となり,現地調査を行うための打ち合わせをした。あさっては現地にでかける。何も用事がなければドライブには絶好の場所である。明日の法科大学院での講義資料がまだ未完成であった。どの事例を使おうかまだ決断がついていなかったためにそのままになっていた。急いで決断し,資料を仕上げ,明日にはきちんとした資料ができあがるはずである。

ここまでして弁護士会の委員会に出席である。司法問題対策委員会に所属している。この委員会は前年度までは司法改革対策委員会であったが,司法改革は一応終了したとして,名称を変更して存続した委員会である。この委員会は新しく憲法改正問題ふまえ,憲法問題も担当する委員会となった。今年度の取り組みについて協議されたが,なかなかまだまだ課題は多い。さらに私は今年から日弁連司法改革検討委員会のメンバーとなった。司法改革がきちんと実行されているかどうか,それをチェックする委員会であり,毎月1回の委員会が開催される。いままで様々な形で司法改革問題に関与してきたが,その仕上げを見守る委員会であり,大変そうであるが,担当しがいのある仕事でもある。この活動は司法問題委員会に報告することになる。委員会が終了して事務所に帰り,7時30分からマンションの管理組合の方の相談であった。この管理組合は現在問題を抱えていて,管理組合との顧問契約をしている。かつて私もマンション暮らしの経験があり,この管理組合の運営の難しさの経験はある。この相談を終えてやっと自宅に帰った。机の上には一つ仕事のファイルは消えたが,2つ記録が増えた状況で,事務所を後にした。

家に帰ってからはビールを飲んでテレビを見ながらうたた寝で,昼間とは全く違う生活がそこにある。この落差が大きい。

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