火曜日午後は

2007年4月25日

朝一番は,大阪地裁の事件に関しての電話による弁論準備手続きであった。相手方弁護士が大阪地裁に出向き,当方は事務所で待機しての手続きである。既に4回目の期日であるがまだ相手方本人も相手方弁護士にももちろん担当裁判官にも会ったことがないまま手続きが進んでいる。離婚をして1年以上も経過した後の離婚による慰謝料請求という事件である。子どもを引き取ることのできなかった別れた妻は旧姓に戻り,さらに訴訟を提起した今は別姓になっている。どのような経過をたどったのだろうか。そして,離婚から1年以上も経過して本件訴訟提起したのはどんな背景があったのだろうか。電話会議でのやりとりだけだと当事者の「息」を感じることなく進んでいくような気がする。尋問が予定される次々回は出頭することになる。その時,双方の人生の複雑にもつれた糸をみることになるのだろう。

午後は,民事の判決があった。山林の境界争いを背景にもった事件の損害賠償請求事件であった。依頼者は,他人の山林を伐採したとして損害賠償を請求されていたが,狭い地域の間での紛争であり,泥棒呼ばわりされたとして悔しがり,争っていた。ところが裁判中に死亡し,遺族がその裁判を引きついだ。亡くなられる直前までこの事件のことを気にしておられた。今日の判決は,この山林は当方の依頼者の所有地であり,損害賠償の請求を棄却するという内容で,完全勝訴という内容であった。いちばん悔しい思いをしていた本人がいないのが残念であった。もっとも訴訟を起こした人の気持ちも理解できないではない。当方の土地の位置が明確になったのであるから,今度は自分の土地の位置を違う人との間で争わなければならなくなるからだ。この訴訟ですべてが解決したわけではない。周辺で新たな紛争が起きるのではないかと危惧される。

火曜日は,午前中に早々と自宅に帰ることにしている。2時20分からの岡大法科大学院での講義に備え,もう一度ゆっくりと資料などの点検をし,内容を確認して,今日のテーマをどのようにして伝えるべきか準備するのである。自宅でゆっくりと食事をして資料をチェックする。そして2時過ぎに自宅をでて,出勤簿に押印して2時15分ごろまでには教室に入る。こうして3時50分に講義を終えて4時15分頃には事務所に帰る。今日は資料チェックが十分でなく引用判例の間違いに講義中に気づくことがあった。週に一つだけの講義であるが,結構このために使う時間は多い。日曜日にはたいていこの講義案を練り,資料を準備することに費やされている。しかし,法曹を目指して頑張っている若者たちに出会えることが,私にとってはやりがいを感じることのできる時間でもある。

事務所に帰ってからは,交際相手との微妙なレイプ事件に関する相談案件で示談が成立し,その示談金を受け渡しをした。母親とだけの打ち合わせですべてが進んだ。本人と会うことなく終わったが,受験を控えて重要な時期を迎えている。早く元気を取り戻してこの事件もこれからの人生のなかでいい経験をしたと前向きにとらえることができるようになればと思う。

さらに,フランチャイズ契約に関しての相談が続いた。こうして,やらなければならない事件になかなか集中できないことが続く。どうやら連休にそのしわ寄せがいきそうである。

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