「保釈請求」の一日

2007年4月26日

午前10時から刑事事件の判決の言い渡しであった。懲役9年の判決であり,無罪を争っていたが,有罪であれば仕方のない量刑である。判決言い渡しは約2時間にもわたった。早口で裁判官の手元にある判決書が読み上げられての2時間であり,判決書はかなり厚いものであるようだ。判決と同時に従来の保釈は当然に取り消され,身柄が拘束される。判決言い渡しが終わると同時に,検察庁の職員が近寄ってきて身柄を拘束いたしますと被告人に告げた。被告人は一瞬のとまどいをみせ,助けを求めるような視線を向けた。ここはやむを得ない。納得して頂くしか方法がない。

そして,あらかじめ用意していた再度の保釈請求書を窓口に提出した。既に実刑判決がなされたので基本的には再度の保釈許可をえるには困難を伴う。手続き的には請求を受理した裁判所は当方からの請求があったことを検察官に伝え,検察官がこれに対する意見を裁判官に回答し,その結果に基づいて裁判官がその適否を判断する。午後4時30分ごろ裁判官からこの件に関して面談したいとの連絡があり,すぐにでかけた。被告人の健康状態,保釈金の準備状況などをのべ,保釈許可の内諾を得て保釈金の支払い方法などについて希望を述べて,やっと保釈の見通しが確実になった。既に被告人の身柄は刑務所の方に移されていた。午後6時ごろ,正式に保釈決定がなされ,決定書と納付書を受け取り,会計課に納付の手続きを終えた。既に6時を廻っていた。法律的にはこの時点で身柄の拘束は根拠がなくなる。あとは裁判所から納付完了の通知が検察庁に,検察官から釈放指揮が拘置所にファックスで送信され,拘置所で身柄が解放される。この釈放通知が拘置所に届いたのは午後8時を廻っていた。午後8時10分ごろに被告人からお礼の電話があった。被告人にとっては不安な心細い時間を過ごしたことであろう。

こうした合間にいくつかの法律相談を受けて処理したが,今日一日中,この刑事事件と保釈に関わっていたことになる。

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