岡山弁護士会主催の「監視社会と自由〜見てるあなたも見られている」シンポジュームがあった。ジャーナリスト斉藤貴男さん,日弁連から海渡雄一さん,山陽新聞から横田賢一さんらのパネリストによるシンポジュームであった。憲法記念講演会として毎年この時期に開催している集会の企画である。なぜ,弁護士会がこのように多額の費用をかけてこのような催し物をしなければならないのかと最近は会内の議論もでてきている。しかし,現憲法のなかで憲法秩序を守る役割を期待されている在野法曹の責任として憲法問題には常に発言し続けなければならないと私は思っている。今のところそうした議論が弁護士会のおおかたの雰囲気といってよい。
あちこちに取り付けられた監視カメラ,県民の安全を確保するための条例制定,,,,確かに感覚的には治安は悪化したと感じるが客観的な数値はむしろ逆の方向である。利便さを売り物に住基ネット,ナビ,などデジタル化された情報がいくつか重なることによって極めて詳細な個人情報を権力側が既に握っている状況がある。そんななかで共謀罪の新設の論議,テロ対策との大義でマネーロンダリングの防止の法律ができ,銀行取引も詳細に監視対象となっている。このような状況のなかで憲法改正の手続き法が来週には成立する。さて,憲法が改正されるのはいつのことになるだろうか,どんな社会がまちかまえているだろうか。遅すぎないように,憲法を着実に自らのものにしていく活動がこれから強く必要とされてくる。