カルト被害者の声

2007年5月19日

札幌にいる。結成されて20年になる全国霊感商法対策弁連の45回目の集会である。札幌ではこれで3回目であった。事件の関係や、人権大会などの日弁連の大会、刑法学会など北海道も既に何回もきていて、珍しくはないがそれでも景色が明らかに違い、遠くにきたことを感じさせる。

今回は非常に企画が充実していた。最初に最近統一協会から脱会した夫婦の体験が話された。妻の脱会に自分の人生をかけるまでにして取り組み、今は夫婦のかたい絆ができている様子が、元信者であった妻の報告からその雰囲気が伝わってきた。いつもこうした体験談を聞くところから集会が始まる。この被害があるからこそ私たちはこれからもこの問題に取り組むエネルギーを持つのである。北海道でカルト問題に関し、カウンセリング活動を続けてきているマインドコントロール研究所所長パスカルさんの報告、櫻井北海道大学教授による「スピリチァリティについて」と題するわかりやすい大学の講義を思わせる講演、「サイレントネービー」の著者である伊東東京大学准教授による「調教と傷心、、、マインドコントロール犯罪被害者の生理と法理」と題する脳生理学科学者の視点でカルト被害の深層と裁判の在り方などについての講演などが続いた。

夕食時の懇親会にはいり、最近脱会した若い女性二人から脱会することに至った経過と今の気持ちなどについて話がなされた。今の状態を本当に喜びをもって迎えられているとの嬉しそうな報告に会場から本当によかったねと拍手がわいた。二人とも占いからビデオセンターへとつながり統一協会員となった。統一協会にいた間に楽しかったのはこのビデオセンターに通っていたときだけだったそうだ。日常の生活では考えることのことのなかった神の存在を考え、人生の在り方を考えた機会は充実したものを覚えたとのことである。そして文鮮明を証されてからは苦しみがふえるばかりで、恐怖やそこでできた人間関係だけでそこに留まっていたとのことである。そして、今こうしてこの集会に出席できた喜びで一杯であるとの時に涙しながらの話であった。そしてこの集会には老齢化した私たちに代わって弁護団を支えて行くようになる若い弁護士が多く参加していたことは嬉しいことである。

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