昨日,久しぶりに映画を観た。しかもレイトショウであり,終了時間は11時30分で,家に帰れば0時となっていた。観た映画は封切り初日の「パイレーツオブカリビアン」であった。決して私の趣味ではなく,妻に誘われ出かけたものである。
50歳を超えている我々夫婦は二人でみても2000円である。新しく郊外にできた多画面の映画館の施設にでかけた。ここは2度目であったが,どこか劇場にはいっていく雰囲気があり,シートもハイバックでゆったりとしている。飲み物を飲みながらでも鑑賞できるようにカップホルダーが座席についている。しかも座席はインターネットで事前予約ができる。画面は大きい。決して他の人の頭が気になるようにはなっていない座席配置である。何よりも迫力ある音と音響効果がすばらしい。場内の禁煙や携帯電話の電源についての注意も何か切れのいい映画でもみている雰囲気で小粋になされる。非日常空間を映画が始まる前から楽しませてくれる。
小さいころたまに本当にたまに連れていってもらった映画館はぎっしりと人で埋まっていた。「ダンボ」「たんこたん吉」「子鹿のバンビ」などを満員のなかで立ったままみた記憶もある。地域では公会堂で婦人会やら青年団主催の映画が催されたりしていた。夏の夜「四谷怪談」をみたあと暗い夜道を通って家に帰るのが怖かった。学校でもときどき文部省推薦映画の教育映画鑑賞会などが催されたりした。行ったことはなかったが自宅からバスに乗って少し行ったところには映画館もあった。その映画館は閉鎖になりそのあとにスーパーマーケットができ,その店もいまはつぶれている。
たわいもない荒唐無稽な話「パイレーツオブカリビアン」も3作目であるが,無条件に楽しませてくれる。CGなど最新の技術がこれでもかこれでもかというほど使われているらしく,その画面の迫力に圧倒される。この映画一つつくるのに小さな国では国家予算といわれるほどの資金を使ったのではないかと思わさせる。そして単純にその精巧さに驚かされる。背景に流れるその重厚な音楽もすばらしかった。人類の壮大な無駄かも知れないが,こうして楽しむこともわれわれの生活にとっては不可欠である。