面接交渉から離婚訴訟へ

2007年6月3日

別居を始めてからもう2年以上経過している事件。幼い子どもと共に妻は別居に踏み切った。なんどか子どもを夫の実家に連れてきているうち,子どもが帰りたくないと泣き叫ぶことがあって,夫は子どもを自分の手元において両親の協力を得ながら過ごしていたところ,幼稚園の帰りに強引に妻が連れて帰り,以後妻の手元で育っている。これまでの間に何度か面接交渉をめぐる調停があった。当初は頑として子どもたちに会わせようとしなかった。やがて夫とのわずかな時間だけ実現した。その時間は徐々に拡大された。そして,最後には夫の両親と共に月に1度は半日一緒に過ごすことができるようになった。孫と一緒に過ごせる時間を持つことができるようになってとても幸せな時間を持つことができているようである。そして,夫らと会う日,妻の姿が消えるや否や懸命に子どもたちは甘えてくるようである。こんな日々が続いているとき,ついに離婚訴訟が妻から提起された。

きょう,この事件の受任の相談があった。両親の緊張関係のなかで,子どもなりに懸命に双方の間で生きている子どものけなげさが伝わってくる。夫の方も絶対子どもは自分の力で育てたいと考えている。そのために仕事も替わった。夫婦の溝はとうてい埋まりそうにもない。しかし,少なくとも相談を受けている夫の子どもに対する気持ちはこの別居のあいだも変わることなく子ども中心に考えでいることは間違いないようにみえる。これからどんな形が子どもにとって最良のものとして解決に向けて審理が進むことになるか。落ち着きどころが私にもまだ見えない事件である。「赤ちゃんポスト」が話題となっているなか,こんな形での親の関わりもある。どこでどのような生活を送ることがこの二人の子ども幸せといえることになるのだろうか。

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