2日前に書いた老人の悪徳商法被害相談、すぐに被害回復に向けて交渉を開始した。一定の事実関係を指摘し、詐欺であること、直ちに返還しないのであれば刑事事件として告訴する旨を伝えた。こともあろうにその後その会社は直接依頼者に接触して交渉しようとし、依頼者の自宅付近をぶらぶらとしながら様子を伺い、何回も電話をかけてくる。不安げに電話をしてくる依頼者に対しては、決して接触をしないようにすること、もしまだ強引な勧誘、もしくは取引をやめることを思いとどめさせるような動きがあれば110番通報をすることを助言した。いくら電話で依頼者に連絡してもこれに応じようとしないことにやがてあきらめて、すぐさま社長自ら今度は私に連絡があった。「理解してもらえない人がいるならそれは仕方がない。直ちに現金で返金する」というのである。思いがけない展開で早期の解決となった。業者は事件として報道されるようなことがあればもはや商売は続けられなくなるから、できるだけ事件が表面化しないように画策しているのである。rnrnしかし、どうしても心ににひっかかるものが残る。この会社は決してこれでこの商法を止めたわけではない。今後、多くの被害者がきっと生まれてくるだろう。ほんとうは、お金が返ってこなくても徹底的に刑事告訴などをしながら法的な責任追及をして被害の根絶を図ることがベストなのだ。しかし、弁護士の場合、具体的な被害者の利益を守るというのが一義的な職務である。刑事告訴を優先し、その人の被害回復に悪影響を及ぼしては職務違反である。こうした悩みは、倒産することが見えているような業者を相手とする交渉のときは常に悩むことである。豊田商事事件も60年初め頃には既に被害の連鎖をこれ以上続けさせないために、破産宣告の申し立て手続きに踏み込むべきであるという意見が強く出始めていた。永田社長が殺害されるまで、破産宣告申し立てに踏み切れなかったのはこうした背景があったからだ。
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- カルト被害を考える会 に 田所眞紀 より
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やはり詐欺
2006年11月18日
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