6月7日から消費者契約法が改正となって消費者団体制度が動きだした。とはいっても訴訟のおこせる適格消費者団体の認定申請が始まったというだけであり,すぐさま訴訟ができるわけではない。全国的にも東京と大阪の2団体が申請をだしただけである。岡山では,将来的にこの適格団体になるべく,当面任意団体「消費者ネット岡山」を結成して活動を始めることになった。そして,設立最初のイベントとして,今日「消費者何でも相談会」を開催した。
私は,4人の方の相談を担当した。相談者のうち2人は連鎖販売取引(マルチ商法)の被害相談であった。マルチ商法は「人狩り商法」と言われている。うまい儲け話しに乗せられ,結局は自分が紹介した友人や家族を被害者にしてしまうという悲劇が待ち受けている。しかし,勧誘者の話は夢のような成功物語を現実であるかのように信じさせてしまう魔力がこの商法にはある。私はこの商売の危険性を話すとき,いつも例に挙げて計算を示す。一人が一日ごとに二人を紹介するピラミッドを形成していくとすれば,28日目には1億人を超える計算になる。マルチは無限のよ0うに見えて実はこんなに短期間で限界となるのである。
2年後ぐらいにははれて適格消費者団体としたいものである。できれば,そのころには差し止め請求だけでなく,損害賠償請求もできる制度に発展し,集団的な被害救済事件を具体的に体験できればと思っている。まだまだ先の話である。