60期司法修習生送別会

2007年6月14日

岡山で1年の実務修習を終えた60期司法修習生の送別会があった。我々のころは12名であったが,40数名であり,さらに61期は50名を超える修習生が配属される。ひとりひとりの挨拶に我々のころと変わらぬ実務への希望と夢が語られていることを嬉しく思った。人数が増え,修習が希薄化し,人と人との接するなかで法曹像を考えていくことができるのだろうかと思っていたが,法曹としての後輩がしっかりと育ってきているとまだ思えたことが幸いである。

送る側で出席していた地裁所長,家裁所長,検事正はすべて同期である。弁護士会会長は期は若いが同じ年齢である。同じテーブルであった地裁所長と「修習生のころはこうした場所に出席している所長をみると怖い思いで接し,30数年も弁護士をしている弁護士など雲の上の人とおもっていたね」と話していたが,実は話している本人が所長であり,30数年弁護士をしている本人なのである。ほんとうにおかしい気がする。気分は未だに修習生のころの気概を持っているつもりなのである。実務修習を終えて東京に帰り合同修習で通称卒業試験にあたる2回試験が待っている。2回試験に合格すればはれて法曹として飛び立っていく。そうなれば,事件などを通じて実務家同士またどこかで出会うこともあるだろう。

こうして,実務家が急速に増加してきている。岡山でも今年の秋は20名を超える新人弁護士が登録することになっている。東京では,弁護士になっても就職先のない弁護士が100名を超えることになるのではないかなどとささやかれている。そうした弁護士が,弁護士会費の支払いが滞ったりしないか,そのことが強制加入団体であり自治権を持つ弁護士会のあり方に大きな影響を及ぼすことにならないか,人数の増加による質の低下をどう克服していくか,どこかの仕組みがおかしくなりつつあることを実感する。

来週は,61期生がやってくる。修習担当は60期限りと考えていたが,アクシデントでまた担当することになった。若い人を育てる機会に触れることは楽しいことではある。

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