重苦しい刑事事件

2007年7月6日

ここのところ,帰宅してからも遅くまでパソコンに向かっていることが多かった。無罪を争っている刑事事件に関して控訴理由書を書いていたからだ。こうした課題を抱えていると他の仕事をしていても頭の中にいつも重くのしかかっていて,ストレスとなる。昨日,やっと一応のものを完成させ,あとは日曜日にじっくりと検討する予定である。そして月曜日には提出である。

この事件の他に交通事故関連のこれまた気の重い刑事事件を抱えている。いずれも死亡事故である。突然に家族を失った人の悲しみは大きく,簡単には癒されない。その気持ちをストレートに被告人の法廷でぶつけてくる。被告人は起きた重大な出来事に弁明することさえできない。おそらく2件とも実刑となる可能性が高い。被告人が服役してしまえばいずれの家族も経済的には直ちに困窮してしまうことは目に見えている。1件は先日控訴審が,もう1件は明日地裁で法廷がある。先にあった事件の妻はまもなく出産予定である。命が失われ他方でその加害者に新しい命が生まれようとしている。どう気持ちを整理したらいいのだろうか。とても複雑である。

先日,普通のサラリーマンの先物取引被害でかなりの金額の被害について当方の示した条件で和解が成立した。被害が回復できてよかったと思っていたら,今日新しく被害相談があった。その被害額はサマージャンボが当たってもまだ回復しきれないほど巨額である。一方でそれほどの被害をだしながら,先物取引会社は1億円以上の利益を得ている。とんでもない話である。手口も昔ながらの客殺し手法である。取引をしっかりと分析しながら交渉のポイントをつかむ必要がある。相談する弁護士である私にも警戒感をいだき相談が始まったが,帰り際になぜか落ち着いてきて光がみえるような気がしますと言われた。先日も会社のお金を横領し,その事後処理の相談を受けていたが,依頼者から同じような言葉がでた。我々弁護士の仕事もある意味カウンセリングの役割も果たしていることを実感し,少しでも落ち着いて勇気を持つことができたら私も役に立てたと嬉しい気持ちになれる。

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