こんな動きにも批判がストップする

2007年7月9日

光市の差し戻し控訴審事件を担当している安田弁護士のところに銃弾がはいった脅迫文が届けられた。彼の弁護活動を批判してのことだ。今日のヤフーニュースには以下のとおり報道がなされていた。
「山口県光市の母子殺害事件差し戻し控訴審で、元少年の被告の主任弁護人を務める安田好弘弁護士を脅迫する内容の文書が、銃弾のようなものとともに朝日新聞東京本社(東京都中央区)に送られていたことが8日、分かった。警視庁築地署は銃弾の鑑定を進めるとともに、脅迫事件として捜査している。
 5月29日にも、被告の弁護団を批判し、脅迫する封書が日本弁護士連合会に送られており、関連を調べる。
 調べによると、脅迫状はワープロ打ちで、安田弁護士について「抹殺してやる」などと書かれていた。」

安田弁護士は死刑廃止運動に取り組んでいる弁護士である。その信念から今回の事件についても死刑はふさわしくない刑であると弁護団の中心となって弁護活動をしている。しかし,世論は彼の弁護活動を強く批判している。死刑が当然な被告人だから,死刑反対の立場で弁護するなどもっての他だというのであろう。しかし,こうした法で許容されている弁護活動の自由が脅かされるようになると,常に権力側との対立構造のなかで仕事をする弁護士の職務の独立が強く保障されなければ,司法の独立はまもられないことになる。

ところが,あまりにも世間の彼に対する風当たりが強いせいか,今回の事件は絶対に許せないとする毅然とした態度が日弁連側に取られていない。私は,取り扱っていたカルト問題に関して昭和62年春から夏にかけて激しい業務妨害を受けた。このとき,岡山弁護士会は,ひとり私だけの問題ではなく,弁護士の職務の独立を守る大切な問題だとして刑事告発をして守ってくれた。そのことで警察が迅速に動き,業務妨害は止まった。安田弁護士の場合,彼を守ろうとする弁護士会関係者の迅速な動きがみられないことが気にかかる。 

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