「安全」はもっとも危険

2007年7月18日

新潟中越地方でまたまた大きな地震があった。多くの人が水も食料も確保できない状況で過ごさざるをえなかった。今もなお命を危険にさらしながら避難生活を強いられている人々がいる。その地域からほんのわずか外にでれば,全く普通の恵まれた生活がなにごともなかったように続けられているから不思議である。

原子力発電所は,丹念に事前に調査して,全く安全であると保障されたところに建設されたはずである。少なくとも建前はそうである。しかし,今回の地震で明らかになったのは柏崎原発は日本でもっとも危険な場所に設置されていたことになる。この危険は少なくとも過小評価されていたに違いない。本当は,今の日本には「安全」な場所などありえようがなく,反対運動の起きにくい過疎の町を「安全」としているのだ。もっとも貧しく弱いところに原発は建設されていることが今回の地震で浮き彫りとなった。高レベル放射性廃棄物の最終処分場も多額の交付金を拠出することと引き替えに過疎の町に押しつけようとしている。真に安全な場所があるのかどうかそうした観点から見つめ直さなければ,次は取り返しのつかない被害を被ることになる。

安全といえば,有害物質に汚染された造成地を事実を知らされないまま購入させれた人の相談を受け,売り主と交渉を開始した。この汚染の事実を認識したのは最近のことであるが,購入したのは既に20年近く時を経過している。しかし,売り主であり造成した企業はその汚染の事実を前から知っていた。この宅地からはガス漏れ警報器が作動するぐらいガスが排出されているところもある。企業のモラルが問われる事件である。人の健康と命を犠牲にしながら利潤を追求するということに何も痛みを感じないのだろうか。健康で平穏に暮らすこの基盤自体が実はもっとも危険な状況におかれて健康をむしばんできていたのだから,依頼者は何を信頼したらいいのだろうかと不安感をふっきれないまま,私が交渉することとなった。

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