半旗

2007年8月16日

PIC000237.jpg法廷のため岡山地裁倉敷支部に出かけた。大手サラ金相手の過払い金返還訴訟で相手方弁護士は広島からでかけてきていて、通常盆休みのこの時期に本当にご苦労様と言いたくなる。しかし、この種の事件を扱っている弁護士同士だとなかなか期日を会わせることができなくて、今日のような日であれば断る正当な理由も見つからず、請けてしまったというのが正直なところである。

裁判所の玄関には半旗が掲げられていた。岡山に帰って念のため本庁の屋上を確認してみたがやはり半旗であった。裁判所がこのようにわざわざ半旗にしているのはおそらく最高栽からの指示であろう。今日の新聞には厚生労働省の政府広報として「本日は、戦没者を追悼し平和を祈念する日です」との説明がなされていた。また、小泉前総理が靖国神社を参拝したこと、多くの国会議員が集団で参拝をしたことなどが報道されていた。一方では、国民投票法が成立するなど憲法改正に向けて着々と手続が進められている。

改めて政府広報が無機質に「正午から1分間の黙とうをお願いします」と言っていることの意味を、国民の立場でじっくりと考えてみる必要があると思う。自らの個人的信条で靖国を参拝することは全く構わない。もし、靖国参拝を何らかのパフォーマンスで実行しているのだとしたらこれほど靖国神社を冒涜する行為はない。靖国神社の歴史をみれば、真の個人的信条がなければ平和を願う理由で出かけていける場所ではない。戦争が無謀にも開始され、多くの若者達の命を奪いながら進められた戦争は、同時に他国を侵略し、痛ましい被害を及ぼした。戦争は自国にも他国にもすさまじい被害をもたらした。原爆の人類史上最大の痛ましい被害もあった。こうしたことから不戦の誓いをし、世界の平和へのリーダーとなろうとしたのが戦後の日本の立脚点であった。こうした思いを思い起こし、亡くなられた方を追悼し、平和への決意を新たにすることこそ今日の日に必要なのだろう。

倉敷支部の事件を終えて、お盆の間の仕事なのでのんびりしようと帰りに大原美術館に寄って帰った。モネがジルベニーの庭園で描いたという睡蓮と同じ睡蓮がきれいに咲いていた。

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