暑い！本当に異常である。事務所をでると外は熱風が吹いている感じだ。アスファルトの交差点を渡る時は，足下から熱気が吹き上げてくる感覚である。友人の父親が亡くなり，葬儀に参列した。屋内ではエアコンをフルに効かせているようであるがそんなに涼しいとは思えない。途中で電源が落ちてしまうハプニングあった。最後の喪主の挨拶の時，いつも人を飽きさせない話をする彼であるが，父親が人生で一番の思い出は２．２６事件に遭遇したことであると話していたことなどのエピソードを紹介した。礼服で屋外にでたこのときに，今日のこの日の挨拶だけは少し短めで勘弁してよと言いたくなった。やがては，自分自身も父親とそして父親としてこのような別れの時が必ずあるのだと死ということをふと考えさせられた。
暑さも尋常ではない。昭和４９年５月に結婚して翌年の昭和５０年の夏に住んでいた借家にクーラーを取り付けた。わずかに手伝って解決した森永ヒ素ミルク中毒事件の報酬で購入したのであった。このときはまだいつも使うということではなかった。暑い日の瀬戸の夕凪のころ，スイッチを入れると快適であった。まだ贅沢品であったのではないかと思う。今は，エアコンがなければとうてい日常生活を過ごすことはできない。眠りにつくときにまで使用している。日常生活を送るのに自然環境のなかではもはや過ごせなくなっているのである。体がより快適さを求めて贅沢になっていることもあるかもしれないが，客観的に気候が異常となっているのも確かである。まだ，部屋の中だけでエアコンを使って過ごしているが，やがて，地域全体をカプセルのようにしてエアコンで気候をコントロールしなければ生活できなくｋなるのではないかとＳＦ小説のようなことを考えてしまうが，そのＳＦが現実になっていくというのが最近の恐ろしさである。