昨日触れたかったこと

2007年9月21日

昨日は,もっとも気になっていたことに触れないで,心の中では触れたくないという気持ちから少し自分の気持ちと離れたことを書いた。実は昨日はずいぶんと嫌な思いをした。民事和解手続き上のことであった。前回,相手側弁護士の側から和解の検討依頼があり,従前の対応と異なった提案であったので,当方はこれを真剣に検討し,問題解決のために提案の方向で決着を図るべく決断した。その上で和解に臨んだのであるが,全く当方を愚弄するような対応をしてきて和解の意思があるとは思えない態度をとってきたのである。その態度はその弁護士の考え方によるものであった。若い弁護士である。前から問題があるといううわさの人であったが,私は「言葉を慎みなさい」とつい言ってしまった。それでもその弁護士はなんとも感じていないようであった。この弁護士相手の時は今後絶対に何も信頼しないで対応するつもりである。こうして,一つ一つの事件の処理でその人の評価がなされていく。都会であれば同じ弁護士に生涯2度とあたる可能性はまずない。信頼されようがされまいがその時限りのやり方でも済む。しかし,岡山程度の規模であれば何度でも相手にすることがある。事件は決定的に対立していても,その時互いに信頼しながら仕事ができることは公正な信頼ある司法での解決を目指す手続きに必要なことである。

午後から高松高裁での事件であった。往復マリンライナーに乗って瀬戸内海をまたいだのである。高裁での事件は既に和解手続きにはいって1年近くになるのではないだろうか。今日は和解が成立すると思われていたが,いろいろと問題があり,なかなか結末を迎えることはできない。しかし,問題がおこるごとに全面的な解決に向けて確実にすすんでいるのではないかとは思っている。和解ができなかったことに落胆し,よりよい解決が見えてきたことに希望を持ったという手続きだったろうか。それにしてもねばり強く対応して頂だいている裁判官に感謝である。弁護士から裁判官になった方でである。その裁判官も弁護士時代は消費者弁護士との評価のあった弁護士であった。

高松高裁の事件が終わって高松高検に寄った。高検検事長が同期で同じ岡山修習の仲間だったことからちょっと挨拶のつもりであった。久しぶりに会ったが最初の言葉は「おう,少し太ったなあー」である。事実そうだから文句も言えないが彼はあまり変わっていない。しかし,世間ではなかなか偉い人なのである。話していると本人もそのことを意識しているらしく「人からはずいぶんと特別の扱いを受けるが,昔の仲間からみればあのおっちょこちょいが何をえらそうにしているんかと思っていると思うし,そうストレートに言われることが嬉しい」など言っていた。修習時代のなつかしい話にしばしの時間を費やした。検察庁と弁護士会と立場は異なっても同期,同修習地であった仲間意識は,仕事の上においても互いの立場を理解した上で,信頼をもって仕事のできるバックボーンが形成されているように思う。3000人の合格,修習期間の短縮などの希薄化,大量の弁護士登録など従来の信頼感を互いに持ちつつ仕事をすることがだんだんと困難になってきているのかとも思う。

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