大阪へ

2007年10月2日

土曜日に上京して弁護団の研究会にでていた。今日は大阪地裁での弁論期日(結審)であった。やはり東京と大阪とはかなり雰囲気が違うということがきょうは意識さされた。同じ都会でも大阪はまだゆとりを感じる。新大阪から地下鉄御堂筋線にのって淀屋橋で下車する。電車も東京ほど人が混み合っていない。高層ビルが所狭しと高さを競っている無機質な感覚はない。淀屋橋を降りて市役所の方面にでる。淀屋橋をわたっていくのであるが淀川沿いに緑の遊歩道が見える。ゆっくうりと流れる中之島を歩いて歴史的な建物となっている大阪図書館の脇を通って対岸に渡ったところが裁判所である。東京にも日比谷公園などがあり,ゆったりとした風景はあるが,コンクリートの固まりの中にいるという感覚はぬぐえない。

今日の法廷は既に最終準備書面を出し終えていて,その陳述の手続きだけで結審となることはあらかじめ決まっていた。やるだけのことはすべて終えて,次回の判決期日を決めるだけの手続きであったのである。だからゆっくりと周りの景色を楽しみながらのんびりとでかけることができた。淀屋橋から裁判所の方向を観ると裁判所とその近くの高層のビルの谷間に長細い新しいビルが緑の上にでているのが見える。屋上にはヘリポートが設置されている。そのビルが大阪弁護士会の建物である。単位会の弁護士会としては世界最大のビルではないかと自慢していた。同時通訳の可能な会議場もある。1階ホールには各部屋の利用状況が電光パネルで表示され,太陽光発電の状況も見ることができるようになっている。今日は天候は曇りのようであったが,3,4キロワットと表示されていた。多いのか少ないのかよくわからないが,一応いろんなところに細かく配慮された建物である。東京は3つの弁護士会に別れている。そしてその3つの弁護士会と日弁連で一つのビルを所有している。3つの弁護士会にはそれぞれ歴史があり,性格も微妙に違い,会館の使い方にも差がある。ここでも弁護士会館の考え方に東京と大阪との違いがあるように思う。弁護士会の会員数はこの司法改革のなか急激に増加している。数が増えることは外部に対しては弁護士会がますます大きな力を持ちうる団体としての力を蓄えているとも言える。会費収入は会員数の増加にともない急激に増えているはずである。その結果が大阪弁護士会の会館に象徴されているのではないだろうか。業務の充実にそのことが直結していけばなにも問題はないが,,,。

ちなみ今日の裁判は,おそらく勝てるだろうと思っている。勝っても問題は何も解決しない,誰もが幸せになるわけではない事件である。離婚をし,夫が子供らの親権者となって,妻はやがて新しい伴侶と生活を始めながら精神的に病み,元の夫に対して離婚の時の慰謝料を支払えとの裁判であって,私はその元夫の代理人である。勝ってもなんら問題解決にならないというのはこうした背景があるからである。相手方の病んだ精神状態が癒され、平穏な生活を取り戻すことができそうにない実態をこの裁判ではっきりとみてしまった。

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