当番弁護士の当番

2007年10月8日

朝,リビングのサッシ戸をあけると柑橘系の甘いにおいが入ってくる。キンモクセイが咲き始めたのである。札幌の秋の始まりを体験してきたばかりであったが,しっかりと岡山でも秋が始まっている。秋祭りのころの記憶を呼び覚ます匂いである。その季節感は酷暑の夏であっても昔とあまり変わらないのか,田舎から祭りのすしを近所からいただいたから取りにこないかとの連絡がはいった。どうやら今日が秋祭りの日のようである。

休日当番弁護士の日であった。朝一番に地方版社会面をまずみる。何か重大事件は発生していないかを確認するのである。今朝の新聞で見る限り平穏な日であったようだ。面倒な事件の呼び出しの可能性の一つはつぶせた。次に弁護士会の留守番電話に当番弁護士出動依頼がきているかどうかをおそるおそる専用の携帯電話から確認する。前日もとりたてて用件はなかったようであり,静かな休日が続いているようであった。ひとまず安心する。そして午後4時までひたすら出番のこないことを願って専用携帯電話を胸ポケットに入れていつでもすぐに連絡がとれるようにして過ごすことになる。そして,午後4時に最後にもういちど留守番電話の確認である。何もなかった。これでやっと落ち着ける。被疑者国選がはいり,被疑者段階の援助事件もやらなければならなくなっていて,ひとまず要請があれば1回目の接見をすませば最低限の職務が終わっていた従来とは異なって,当番弁護士の職務はかなり厳しく重要なものとなっている。その分,待機のストレスがかかり,具体的に出動がなくても休日を楽しむということはできなくなった。

午後から田舎に朝に連絡のあったすしをいただきにでかけた。小学校時代にはお祭りだといえば遠い親戚の人が来てすしやごちそうを食べて泊まって帰っていた。すしはどこの家でも作っていた。今頃は両親はすしはつくらない。近所の人がつぎつぎともってきてくれていて,そのご相伴に私も与るということだ。両親のいる集落への入り口には櫓が組まれて御輿と太鼓が置かれていて,子どもたちが太鼓を打ち鳴らしていた。私も,専用のバチをつくってもらってこれで太鼓を祭りにたたくのが楽しみであった。

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