もう5日も事務所を離れている

2007年10月9日

先週木曜日は,東京で司法改革実施対策会議,金曜日は札幌で弁護士業務改革シンポジューム,土曜日は札幌からの岡山への移動,日曜日は当番弁護士待機,きょうは体育の日であって,既に5日間事務所を離れていることになる。何か怠けて悪いことでもしているのではないかと自己嫌悪に陥る。こうなると弁護士業務の感覚も鈍ってしまう。しかも,今日からはテレビ局の政治部記者をしている次女が急に遅めの夏休みを確保したとかで母親を観光地での休日に誘い出して妻はいない。私にとっても突然の空白の一日となった。こんなことはめったないことであり,いまさら仕事でもないだろうと何をしようかと暇をもてあます結果となった。

新聞のラテ欄をみても特に興味がわくものがない。そこで,近所の本屋に行って著作権切れで安いのか500円のDVD「ジャンヌ・ダーク」を買ってきて観た。以前,ジャンヌ・ダーク関連の本を読んでいたことがあったので興味と感動をもってみることができた。そして,以前から気になっていたエクセルのマニュアル本を斜め読みをした。このソフトは日常的によく仕事でも使う。しかし,実は自らこのソフトを使用して表を作ったことはなかった。いつも事務員任せで,せいぜいできたファイルのデーター修正,追加などをする程度であった。なかなか自分で利用することに気分が向かなかったのである。こういったものに挑戦するには人それそれにタイプがあるみたいである。私は,新しい商品を購入したりするとまずは取り扱い説明書など全体を読んで,全体的,構造的な理解をしてからでないと具体的な操作をすることに積極的になれない。これは新しい法律を勉強するときも同じであり,必要な箇所を必要なだけ読んだだけでは頭にはいらない。いわば基本書なるものをまずは全体的に理解しておいて,細かいところにはいっていかないと安心できないのである。パソコンのではじめのころベーシックというコンピューター言語があり,これで簡単なソフトを作成したりしていた。それと同じ感覚でエクセルも使用すればそれよりも簡単だと思いながらも気が進まなかったのはこのソフトについての解説を一度も読んだことがなかったからである。今日は少し吹っ切れたようであり,早速あるデーターベースの作成に取り組んでみようと思っている。

ところが,妻はこうした取り扱い説明書の類は読もうとしない。コンピューターのソフトを使う時も,正しかろうと間違っていようとお構いなしに試行錯誤を繰り返し,それによってなんとか操作方法を取得し,使いこなすようになっている。間違ってボタンを押しても壊れることはないというのが彼女の持論だ。たしかにそうであると思うが,私はどうもそのようにはやれない。全体的に概略でも全体を掴めていないと不安なのである。私のこの性は,司法試験の勉強の時にとにかく基本書を読みこなして理解するという学習方法で形成されたのだろうか。長男の時代は他人の作ったサブノートや受験対策マニュアル本の攻略が合格の秘訣のようであった。いままた法科大学院時代を迎えたものの,受験対策的教育が横行して,問題となっている。しかし,いつの世も法曹はしっかりとした理念を持ち,自分の頭で考える資質を要求され,こうした能力を磨く教育でなければならない。

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