破産の原因は高金利の実証

2007年10月12日

タクシー運転手さんからの今年春頃の相談。400万円ぐらいのサラ金などからの負債を抱えて,糖尿病と闘いながらの仕事であった。収入すべてを債務の支払いに充てなければ支払い必要額に達しない。債務額を増額しながらの自転車操業となり,自己破産宣告申立の依頼であった。各債権者との取引履歴を調査し,再計算をするとほとんどの業者が過払い状態となった。そこで過払い金の回収にはいったところ300万円を大きく超える金額が回収できた。その金額から健康保険料,年金未納分を解消し,滞納税金もゼロとなった。ところが,同人にはかなり大きな金額の保証債務があり,主たる債務者の支払いは既に滞りがちとなっているようである。保証債務がなければ自己破産をしようとしたら300万円ぐらいの蓄えができたと言う事案である。まさに,いかに高金利が野放しとなってきていたかを実証するものであり,現在の破産原因のほとんどがこのような高金利が原因となっていることを端的に示している。もう一つの教訓は保証人になるには自分で支払うことになることを常に覚悟したうえでなければ応じてはならないということである。

午後からは大阪家庭裁判所で遺産分割審判事件で大阪にでかけた。東京,徳島そして岡山から私が出向いての審判事件である。約2年前,2,3回もでかければ解決するだろうと簡単な気持ちで受けたが,延々と続いている。最後の最後になっても求釈明の応酬が続いたりする。今日も新たな釈明事項を持ち帰ることとなった。複雑なそれぞれの人生のなかで気持ちはりかいできないことはないが,お金がからむとさらに問題を複雑にする。遺産金額は数億円である。お金に対しては立場はいろいろと違って,それへの反応も人それぞれである。数億円の遺産額を未だ確定することができない状況である。さて,来春ごろには是非とも決着を図りたいと思っている。

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