広島地裁へ

2007年10月24日

午前10時から午後3時30分まで広島地裁で商品先物取引被害事件の尋問があった。もちろん,被害者側原告代理人としてである。きょうは大本弁護士が全尋問を担当していたので比較的気楽な気持ちででかけることができた。それにしても,認可を受けた取引市場で詐欺まがいの取引が公然となされ,全国各地で同種の裁判が絶えないこと自体が異常である。この種取引に関しては不招請勧誘の禁止の規制がなされなければならない。今日,尋問した営業担当者は,自分の顧客では半分以上の人が損で終わっていることは認めていた。にも関わらず,「イラク戦争が始まりました。原油の値上げが予想され,いまガソリンの取引をすれば必ず儲かります」などといって勧誘している。その結果の現実はほとんどの人が損をして終わり,会社は多額の手数料収入を得て,顧客の老後の資金を食いつぶしてしまうという悲惨な被害を発生させているのである。

広島まではのぞみで40分である。車で倉敷にでかける時間とあまり変わらない。新幹線口からタクシーに乗って裁判所まででかける。裁判所に着く前に拘置所そして裁判官宿舎をちらりと右手奥に見て裁判所前の通りにでる。ここらあたりの風景は,何度もみた光景である。妻の父は長いあいだこの裁判官宿舎に住んでいて,子どもたちを連れて何度もきたことがあるからだ。現職にとどまりながらの闘病生活があった。その病院からみた風景でもあった。日だまりで遊んでいたこどもたちのそのころの様子が思い起こされ,なつかしいような,さびしいようなそんな気持ちに広島地裁はさせる。

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