弁護士過疎地での法律相談

2007年10月28日

弁護士登録当初から縁あって県西部にある市に法律相談にでかけている。当初は1ヶ月に1度であったが,いろんな機関の法律相談業務が充実してきたので2ヶ月に1度でかかけている。山陽本線に乗ってでかけるのであるが,高校の母校のあるところを通貨する。誰か知った人はいないかと通過するときはいつもホームのほうを見る。いるわけないし,いてもわかりはしないはずであるが。

まだ日本語が十分に理解できない中国人からの相談があった。交通事故にあい,仕事ができなくなって,損害保険のこともよくわからず,雇用主の処理にすべてを任せているようであった。中国への仕送りをしなければならないし,滞在期間も残り少なく,きちんと補償されるのか不安のようであった。近所に住む人が仕事ができないでじっとしているのを見て,気の毒になって私のところに連れてきたのだ。その中国人はその人のことを「おとうさん」と読んでいた。言葉も通じない中でやっと頼れると思った人に対する信頼感のあらわれの呼称なのだろうか。

この地域には外国人労働者が多い。縫製,機械・工業,電子製品などを扱う工場で働いている。中国などの東南アジアやペルーなどの南米からもきている。家族で来日している人もいてその子どもたちが通う小学校ではいろいろと問題があるようである。また,研修名目のため労働条件が悪く,経済的にも逼迫してしまうこともあり,そのことが犯罪につながったりしたこともあると地元の人は話していた。安い労働力を確保して,商品の国際的価格競争力を維持しようとする企業にとっては貴重な労働力となっている。しかし,そこで働く人たちの人権が損なわれている反面の企業の利益となっている。何だか当面の法律問題を処理するだけでは解決することのできないいろんなことが見えた今日の相談であった。

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