NHKの島の支部に転勤となった裁判官のドラマである。東京地裁の知財部にいたエリート裁判官が,奄美の島の人情と恵まれた自然に触れながら処理していくなかで,自らの生活にも変革をもたらしていく「家栽の人」にでてくるようなテイストの裁判官としてでてくる。きょうは,最終回で島を二分するリゾート開発をめぐる建設差止め請求裁判をめぐる紛争で,最後は見事に和解に持ち込むというストーリーであった。このドラマのように原告を島に住む希少動物にして訴えを起こすということは現実にあった。現実の裁判においても原告の表示がこれでいいのかについて結構真剣に議論されていた。和解のあり方など,実際の裁判の雰囲気がよく出ていた。このような和解を成立させるには裁判官の強いリーダーシップを必要とする。きちんとした法律監修がなされていたドラマだといってよい。
さて,きょうは広島での全国先物取引被害研究会を終えて,夕方には事務所に戻り,販売会社との紛争になっているマンションの管理組合の方々と次回弁論準備手続きのための打ち合わせをした。この事件は,訴えを提起し,第1回期日が始まる前に裁判官から今後の方針や紛争の実態などについて直接電話などで問い合わせがはいり,第1回期日には裁判官は、既に和解の方向での条件の検討の指示がでた。既に現場を直接見て,それなりに紛争のイメージを掴んでいた。管理組合を構成する世帯は300戸を超え,訴えを起こしている販売会社は大手の商社である。「ジャッジ」のように強いリーダーシップがなければ和解は困難である。裁判官は和解の障害となる第三者にも接触し,感触を掴んでいるようである。販売された当時の環境をできるだけ守ることを目標としての和解打診は当然当方は呑める話である。異例の審理が未だ進行していない段階での和解勧告であるが紛争解決として望ましい方向と考えている。次回はどこまで話が進展するだろうか。楽観的な見通しを述べて今日の打ち合わせを終えた。