管理組合の戦い

2007年11月19日

NEC_0005.jpg自宅前の岡大へと続く銀杏並木もしっかりと色づいて落葉へと急いでいるようである。

冬の訪れを感じさせる朝であった。明日はもっと冷え込むとのことである。毛布を掛けて寝た方がいいとの妻からの忠告。冷え込みで早く目が覚めないための用心だ。

昼から,マンションの管理組合の方と裁判所の和解勧告の内容について検討した。管理組合の理事会の方々でそれぞれ仕事を持っていらっしゃる方々なのでどうしても打ち合わせが日曜日とか土曜日の午後になってしまう。マンションの管理組合の方々とこうした休日に打ち合わせをいれることは全く負担にならない。実は,私はいままで2つのマンションに住んできた経験があり,その管理組合の運営の難しさがよくわかるからだ。その時に苦労した出来事などを思いだし,役員のご苦労が理解でき,できうる限り便宜を図りたいと思っているし,事件についても思い入れがでてくる。

最初のマンションの購入は,今から30年ほど前である。たまたま依頼者であった不動産屋の「家賃を払うくらいの費用で新築のマンションが手にはいりますよ」という口車に乗せられて,マンションを購入した。そんなわけにはいかないということは今ではすぐにでもわかるが,うまい話に乗せられて十分な経済力もないまま購入した。入居すると早速いろいろな問題が生じていることがわかり,私も弁護士であるとして,いろいろと紛争について深入りすることになった。販売会社と管理組合との対決であった。このとき,マンションは隣近所とつきあいがなくても暮らせるとこいうのは、全く間違いで,昔の長屋の住民と同様,深いつながりを持って暮らさなければならない運命共同体であることを体験的に理解しなければならなかった。この紛争は,販売会社から区分所有者の集会所を確保し、さらに解決のために1室を無償で管理組合に譲渡することで解決できた。管理人の方も積極的に区分所有者側についてくれて,後にこの住民と販売会社との戦いを本にまとめて出版までされた。そういえば,あの管理人の方はどうしていらっしゃるだろうか。2番目のマンションは実はまだ所有しているのであるが,理事会など管理組合の運営がしっかりしていて,その意味で理事長になったりすると責任が重く大変であった。区分所有と通常の所有権とはかなり法的な考え方に違いを持って対処の必要がある。今回も正にそのことが問題となっている。

今日の打ち合わせのマンション管理組合の事件もこれから区分所有者の意向を確認し,合意形成の苦労が残っている。これは事件の相手方と対決していくよりも難しいことかもしれない。いろいろと問題を残しながらも裁判官がこれしかないと言わんばかりに双方に厳しく和解の提案をしてくるので,落としどころがきているのかなと個人的には思って見たりする。

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