岡山弁護士会の臨時総会であった。以前は,年末の臨時総会を終えて忘年会へと流れていたときもあり,忘年会と同じような感覚で,これが終わって新年を迎えるぞというけじめを感じていた。審議議案の緊急性に関わらず,この時期に総会をすることは恒例となっている。この9月には従来の司法試験を合格して1年半の司法修習を終えて秋に登録した人,法科大学院を卒業して1年の司法修習を終えてつい先日登録した新,旧60期の合計20人を越える新人登録会員の紹介が冒頭なされた。まさに圧倒される人数である。紹介にあたって全員が前にでて自己紹介をするのであるが,前にでて横一列に並びきれないのである。これで岡山弁護士会の登録会員数は228名になったとか。34年前,私が入会したときは私ひとりであり,弁護士会の会員数は約80名ぐらいであったと思う。新しい会員たちの顔をみていると新しいエネルギーを感じる。この人たちと新しい弁護士会の歴史をこれからつくっていくのだと頼もしくも感じた。再来年から,全件の被疑者国選も始まる。これに本当に対応できるのだろうかとの懸念もある。弁護士人口の急激な増加で,過剰となっているのではないかとの話があるとともに,まだ司法の目を生活のすみずみまで行き渡らせるためには不十分であるとの議論がある。当分は増加していくことは間違いない。
江田五月参議院議長は,当会の会員である。いつも総会には出席される。胸のバッジは弁護士バッジを付けての出席である。そして,誰も江田さんを特別扱いはしない。弁護士会のなかでは一会員である。しかし,今年は,単なる議員ではなく,3権の長である参議院議長の職にある。いくら一会員として出席していても今回は会館のなかであっても常にSPに守られての行動であった。200人までの会員数に十分対応できるとして10年ほど前に増築した会館もその後の急激な情勢の変化で,会場は出席者で満杯であった。そんな中に江田さんも椅子に座って会議を見守っていた。そして,この総会の終了した後に,弁護士会の有志で参議院議長就任祝いの会をもった。このときは,まさに江田さんへのお祝いの会となった。実は今日はもう一つ江田さんにとってうれしい日となる日であったがそのことは残念ながらかなわず,すこしさびしい思いをしながらの会となったのではないか。会では,江田さんの議員生活のなかで唯一選挙に落選した県知事選の選対委員長を務めた同期の弁護士から当時の状況についての話があるなど,終始なごやかにそして,これからの職務に期待する励ましの言葉が数多くでるなかで祝賀の会が終わった。江田さんの法曹としての資質が,今の参議院のおかれている状況のなかでもっとも生かせるいい時期にいい人材を歴史は得たのではないかと思っている。