身障者療護施設へ

2007年12月24日

交通事故による後遺症障害1級の方がはいっている療護施設に実態の調査に行ってきた。日曜日の休日なので本人を取り巻く母親,妹,本人の子らが面会にきていて,その人たちの話をあわせて聞くのが目的であった。

この実情は,診断書,診療録,後遺症認定調査資料などいままで訴訟手続きで提出しているもので把握はできていた。それらに基づいて損害の具体的主張もしている。しかし,現実に直接その様子をみるのは今日が初めてであった。話しかけてもどの程度理解できているのかよく分からない。「ありがとうございます。ご苦労様です」とのあいさつは返ってくる。食事は流動食しか食べられない。手足の機能もほとんど自分では何もすることはできない。妹は姉のために貴重な休日をこうして面会にきている。子どもは,まだ高校生であるが,早く独立して母親を家に連れてかえって面倒が見られる環境ができたらと思っている。

今日は,クリスマスにちなんだ特別な日のようだ。介護を受けながら食堂に入居者が集まっていた。車いすでしか動けない人が,赤いサンタの洋服を着て,顔には白いひげをつけて,介助されながら動いていた。こうして,一人一人の命を少しでも輝かそうと働いている人がいる。ここにいる入所者を取り巻く家族たちもそれぞれの人生をさまざまに送っている。年の瀬を迎え,新しい年となろうとしているとき,こうして人里離れた施設のなかで,クリスマスの行事が行われてそれを楽しんでいる。一歩,その施設を離れると痛ましい交通事故が繰り返され,簡単に人の命をうばう陰惨な事件が続発する,全くこれらと関係なく動いている社会がある。

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