最後は接見

2007年12月29日

28日,御用納めの最後は拘置所での接見であった。接見の申し込みをして接見のための弁護士待合室にはいると既に3名の弁護士がきていた。接見室の中では別の弁護士が既に接見しているようであった。一年の終わりであるし,新年になっても休日が続くので年内に会っておこうということなのだろう。私も,年明けに提出すべき上告趣意書の打ち合わせに今年最後となるきょうと年明け4日に接見することになっていた。控え室で一緒になった弁護士が「会っても,ここでは良い正月をなどという挨拶もできないしな」などと笑いながら言っていたがまさにその通りである。

今年,私の関係した事件でこの正月を拘置所,刑務所のなかで過ごす人が4人いる。一人は,飲酒,暴走で一人の人を死亡させてしまった事件で実刑判決を受け,もう一人は重大な過失で2人をはねてしまって死亡させたという事件であった。いずれも被害者の処罰感情が非常に強かった事件である。起こした事件は重大である。しかし,その後の被告人らの残された家族らの生活も大変である。刑務所の中にいる人よりも残された家族の日々の生活の苦しみはもっと切実であろう。あとの2人は,上告手続き中で拘置所のなかで最高裁の判断を待っている。きょうは,この内の一人に会ってきたのである。それぞれの正月がある。

正月を前にして,カルト教団から脱会した人から,その教団に脱会の意思をきちんと伝えて欲しいとの相談があった。実親,兄弟らがついてきていたが,本人がはっきりと「騙されていた」と明確にそのカルト集団との関わりを辞める意思を私の前で明らかにしている様子に涙していた。親族らの必死の思いで説得が本人のかたくなな心を開いたようであった。早速,カルト集団に対して脱会届を送付し,預けている預金通帳,実印などの返還を求める手続きにはいった。親族らに穏やかな嬉しい正月となった。

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