動き出した弁護士たち

2008年1月6日

土曜日ではあったが,年賀状やら昨年からの未整理の事件について処理をしようと事務所にでかけた。そして,幾人かの同業者をみかけた。事務所はどこもまだ開いている様子はないが,弁護士はそれぞれに動き出しているようである。法律事務所のはいっているビルの1階駐車場のチェーンを開けて事務所にはいろうとしていた人,事務所をでて歩いていると私服のままで事務所に向かっている人,最近事務所の近くに開店した吉野家に昼食にはいろうとすると二人の同業者が食事を終えてでてきていた人,書店にいけば奥さんと二人で旅行情報誌のあるコーナーで本を立ち読みしている人,うろうろと本を探していた人,皆さん顔なじみの同業者である。行く先々でこんなにも出会ってしまった。岡山は狭い。

吉野家は,アメリカ産牛肉を使用して牛丼などをだしている。この牛肉の安全性には疑問符がつく。アメリカの圧力で政治的解決のなかで安全性が犠牲にされて輸入が再開されているからである。吉野家にはいるのはこれで2度目である。1度目は東京で,既に10年ぐらい前のことであったろうか。牛鍋定食を食べたが,肉も柔らかく,これが結構おいしい。そしてびっくりするぐらい安いのである。吉野家の牛丼なんか食の安全を考えれば絶対口にしないと考えていたが,また食べたくなる。国産牛といっても最近では「偽装」があちこちでなされていて,完全に安全なのかも信頼しがたい。牛の飼料となるトウモロコシ,大豆が環境にいいといってバイオ燃料の原料だとかになって高騰しているとか。何が環境に本当にいいことなのか,なにかとんでもない間違いをしているような気がしてならない。吉野家の牛鍋定食を食べながら,アメリカの政治のことが頭に思い起こされ,オバマかクリントンか,政治の変革の時機となるのだろうかと相も変わらぬ日本の先の見えない政治と対比して考えさせられる。

丸善に寄った。辻井喬「新祖国論」を買った。この作者が特に好きというのではない。偶然にぺらぺらとめくって立ち読みをしてみたら,最近の世の中の動きと日本の置かれている状況分析とそれをふまえて何をすべきか著者の文学者としての人間をみる深い洞察と確かな視点で書かれていることに共感したからである。民主主義とは何かも,人権を守ることの意義も語ることができず,そして差別される人との共感できる感覚も持ち合わせない理念なき政治が民主主義を否定し,戦争への危険な道を歩んでいる今の状況を憂い,いまこそ批評するだけにとどまっていてはならないことを主張している。まったく,同感である。

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