たくましい外国人

2008年1月30日

アジアの国から日本に働きにきて,日本で日本人の配偶者を得た外国人同士の民事訴訟を担当している。もちろん,外国人でも日本で裁判を行える。きょうは,この裁判で当方の本人尋問があった。同じ国から日本にきて居住している者同士の裁判である。こうした裁判を担当し,彼らが日本にきた事情,日本に入国するまでの手続きの実態,日本にきてから働いてる労働実態を知ることになるが,本当にたくましく外国で生活していると感心する。言葉が通じない,宗教が違う,文化が違う,なにもかも異なるところにぽつんと置かれても新しい社会に順応し,日本人以上に働いてビジネスを成功させていくそのエネルギーには感服するばかりである。短期間,単なる旅行として海外に出かけるだけの我々でも,異国での生活にはずいぶんと気を遣い,不安に駆られる。それをまるごと外国において生活を築いていくのである。海外に出かけるとき,こうした人たちのエネルギーを思い出し,それに比べれば気楽であるし,きちんとトラブルにも対応できる能力はあるだろうと不安を振り払う。

しかし,今回の依頼者の国の訴訟に対する感覚はかなり違っているのではないかと思われた。相手方からは次々と書証が提出されてくるのであるが,巧妙に偽造されていたり,当方があきらかに相手方の作成した資料を提出するとサインの同一性が明確であるにも関わらず,自分のものではないと言い張るのである。平然とそうしたことがなされているのをみると訴訟制度への信頼感が薄いように思われた。この当事者の特殊性なのかも知れないが,司法や国家権力体制が十分に機能していないことに起因するように思われた。今日の法廷で事件の経過そのものを尋問すると1時間以上はかかってしまうほどの複雑な経過を抱えていた。しかし,事件との関わりの核心部分だけを単純に証言してもらった。相手方からの反対尋問は皆無であった。これで結審であるが,なぜか原告である相手方からは反対尋問はなく,最終準備書面も書かないとのことであった。裁判官がとまどっていたようなので,当方からは提出することにして次回結審予定となった。

岡山での事業は中止に追いやられ,新しい事業を彼の国で始めたようであり,妻子をおいて当分国に帰るようである。今日の岡山は昨夜の雪がまだところどころに残っていて,厳しい冷え込みが続いていた。暖かい国からきた彼にとって,岡山での生活は冷たい国に映っているのではないだろうか。

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