きょうは、カルト被害を考える会の総会である。岡山の青春を返せ裁判を支援する会がこの裁判の最高裁での勝訴確定を機に改名して、カルト被害救済と撲滅のために活動している団体である。体外的には私の事務所が連絡先になっている。今日の総会のために札幌の郷路弁護士にきてもらった。そして、昨夜は、歓迎の懇談会をもった。
郷路弁護士は、札幌で統一教会相手の青春を返せ裁判を担当した弁護士である。多くの脱会者と綿密な打ち合わせを続け、統一教会の教理、そのマインドコントロールに及ぼす影響、マインドコントロールの心理学的解明、そうして得られた事実を法的理論に高める作業を精力的に行ってきた。その成果は「統一教会のマインドコントロールの全て」という本として出版された。さらに研究を重ね、その成果を法理論的に救済が困難だと思われている事案に対しても、救済が可能となる論理構成をまとめるなどしてなお訴訟活動も継続している。その郷路弁護士を囲んでの昨夜の懇談会であった。カルト被害を考える会を支えてきてくれた人、多くの救出カウセリングなどを担当していただいている牧師、既に脱会した人で救出のカウセリングなどのお手伝いをしながら、我々の会に関わっていた人など同じ目的に向かって活動をしているが立場を異にする人々がそれぞれの立場で話ができたことは有意義な時間となった。脱会者の人達の表情は本当に明るい。生き生きと生活している様子が伝わってくる。カルトに身をおいていたことがその人の人生にとって、今では良い経験となっているのだろう。しかし、それでもカルトの活動のなかで他人に迷惑をかけたことの罪悪感を抱えていることを話していた。それだからこそ、こうしてカルト被害救済のための活動に力を注いでいる。街角で何気ないアンケートに答えたその人生がそれまでの多くの関わりのなかでの偶然であり、そして統一教会に関わり、牧師らの関わりのなかで脱会し、そして今は楽しく様々な立場の人と話ができ、新しい人生を歩んでいる。人ととのつながりは背景にそれぞれ大きなものを抱え、それが多くの糸の絡み合いのなかで今があることを実感させられた集まりの2時間であった。