交通事故後遺症

2008年3月3日

交通事故によって1級の後遺障害認定を受けている人の介護施設に訴訟(控訴審)の立証準備のためにでかけた。実は,先々週にも冷え込んだ日曜日に出かけたのであるが,ビデオカメラに結露が生じて撮影できなかった。先週の日曜日は,県北の積雪のために出かけることを中止していた。現実に相当な積雪があり,かつ路面が凍結するなど危険な状況にあったというから,訪問を中止したのは正解であった。きょうは,一転,春を思わせる暖かい日であった。念のため出かける前にビデオカメラの作動を確認してみたところ異常がなかったが,現地ではやはり結露ができてしまった。部屋の加湿器のせいだったろうか。やむをえず,デジタルカメラのビデオ機能を使って,依頼者の生活の様子を撮影した。

依頼者は,ベッドにはいったままテレビのアニメ番組を見ていた。番組のテーマは言えたが,今日の年月日についてはわからないとの答えであった。燕下機能jが低下していて,監視を受けながらの流動食であり,介護なくしては動くことができない。排泄も感覚がなく,おむつが頼りである。前に来たときは,「ご苦労様」などと一生懸命しゃべろうとしていたが,きょうはむつかしい表情で言葉がでてこない。しかし,高校2年生になる娘との会話に母親らしい言葉がでてきた。私とその娘さんと高校を卒業したら早く車の免許をとってお母さんにいつも会いにこれるようになりたいなどと話をしていたら,突然「運転は危ないから気をつけて」となんども繰り返すのである。まだ免許をとるのは高校を卒業してから後の話であり,免許をとりにいっている訳でもないのになんども運転に気をつけるよう繰り返すのである。自ら交通事故で大変な状況にあるなか,娘の車の運転の話に過敏に反応してきた。この年末,年始には感情も不安定となったようだ。家族知人らが周りにいないことが精神状況を極めて不安定にするようである。とても家族だけで介護をするのは不可能である。このような場合の損害額の算定の仕方について現在高裁で争っている。

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