コンサートのはしご

2008年3月10日

昨日の土曜日の夜,久ぶりに大原美術館で催されているギャラリーコンサートにでかけた。大原美術館のメイン展示室でモネ,ルノアールらの絵に囲まれて一流の奏者を迎えて200人には満たない少人数で聞く贅沢なコンサートである。今回は,チェロの独奏でバッハの無伴奏チェロ組曲などで構成されていた。実は,最近の私の睡眠導入剤は,CDでバッハの音楽をかけて眠ることである。何曲ものバッハの代表作のエッセンスがはいったものであるが,最初の方にこの曲がはいっていてこの曲が終わらない頃には眠ってしまう。この組曲1番の演奏が始まるやほんとうに気持ちよく眠ってしまいそうになった。チェロの低い,力強い演奏に心が解放されるような気分を味わった。

そして今日は,「由緒正しき」すごいコンサートであった。イースターの近いこの時期に,バッハ作曲「マタイ受難曲」であった。演奏は,世界最古のオーケストラと言われているライプチィヒのゲヴァントハウス管弦楽団で,バッハが作曲活動をしていた聖トーマス教会を中心に活動している。合唱はその聖トーマス教会の800年の歴史をもつという合唱団であった。この時期のこの曲を,この曲を演奏するための楽団であり,作曲の行われたその教会の歴史ある合唱団によるものであった。実は,この曲も私の睡眠導入剤にはいっている。しかし,その曲の順番はかなり後であり,わたしは既に寝入ってしまって勝手にCDが演奏しているというものである。従ってほとんど聞いたことがないのであった。まるで,オペラをみているかのように物語が続いていき,その心の動きが演奏音色と合唱で表現されている。終演となってもいつまでも拍手がなりやまなかった。一昨年,このトーマス教会に寄って,教会の前にたっているバッハの立像もみてきた。その街の人たちがこうして演奏していると思うとライプチィヒの街を思い出し,親しみを感じながら聞くことができた。これは,1500人ぐらいの人と一緒に聴いた。コンサートのそしてバッハのはしごであった。

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