「銀河」引退を聞いて

2008年3月15日

鉄ちゃんではないし,「銀河」をよく使ったわけではない。しかし,「銀河」の引退のニュースを懐かしく聞いた。学生時代には東京から帰省するのに夜行列車をよく使ったことが思い出された。一番安く帰るには,9時頃に出発していた夜行の急行,大垣行きに乗り,そこから在来線を乗り継いで岡山に帰るのである。急行ではあるが夜行なので停車駅は特急と変わらない。

しかし,この列車に確実に座席を確保して乗るためには,数時間前から指定された場所で並んで待たなければならなかった。コンコースの指定場所に並び,出発30分ほど前になって,ホームの所定乗車位置に団体旅行よろしく案内される。席は,4人座りのボックス席であった。窓をあけて、ホームで売って歩いている売り子を呼び、お茶を確保しておく。長時間乗るので食べ物を持つことも必須である。列車が動き出すと同じボックスに座っている人たちが初対面にもかかわらず,会話がはずむ。バナナやおかきのようなもの,「都こんぶ」などが若い青年であった私に勧められることもよくあった。座れない人は新聞紙を通路に敷いてその上で眠っている人もいた。今思えば,日本もまだ貧しい頃だったのだ。

今は、岡山からは車で空港に乗り付け、飛行機に乗って1時間、移動時間はずいぶんと短縮した。帰りは新幹線の自分の席で、ビールを飲んだりしてゆっくりとマイワールドを楽しんでいたが、今は飛行機であっという間の時間である。そして、新幹線もずいぶんと短くなった。こうして何かを得ることはできたが、また何かを失っていっているような気がする。

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