絵画の偽造

2006年6月7日

著名な画家の著作権侵害、偽造が問題となっている。構図が全く同じであり、ただ色彩が異なるだけである。芸術は「創造」が命でである。創造する人の感性で捉えられた心の動きをその作品から感じて感動を覚えるのである。これがどんなに技法が優れていても構図を借りた塗り絵であるならば、その絵画は創造された芸術ではない。他人の描いた絵と寸分違わぬ絵を発表し続けてきたその画家の神経が疑われる。rnrnところで、民事事件で主張として裁判所に提出する書面を準備書面というが、この書面には他の判決文をそのまま引用したり、コピーアンドペーストを繰り返せば、かなりの量の文章でも内容のあるものが簡単にできたりする。判決文には著作権はない。いくらでも利用できるのである。他人の準備書面をほとんどそのまま準備書面に使用してもこれも著作権を侵害したことにはならない。法律の解釈と適用に関する訴訟上の主張であり、著作権の保護の対象ではない。新しい判例を勝ち取ることができれば、すぐさまその論理を他の事件に利用する、その判決が他でもいいようにでてくれば、さらに他にひろげ、ついには法律までも変えていく力となっていくのである。こうした使い方は法の創造作業に繋がる。これが争う金額が小さい消費者事件を担当している弁護士の醍醐味でもある。rnrn利息制限法を超えるグレーゾーン金利の効力を争う裁判をいくつも抱え、やがて勝てる事件が生まれてきて、その論理を全国にひろめ、勝つことが当たり前にまでになり、最高裁でもその判決が維持されるようになれば、法律そのものが変化せざるをえなくなる。こうした動きに加わりながら仕事ができる喜びは大きい。次の国会でグレーゾーン金利の扱いが決まる。

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