５月１０日（土）午後１時３０分から，三木記念ホールで岡山弁護士会主催憲法記念県民集会「裁判員〜えん罪を防ぐのはあなた」が開催される。基調講演には江川紹子さんが予定されている。５月に憲法記念集会を弁護士会主催で開催するようになって，かなりの年月を経過した。当初からなぜ弁護士会がこのような集会を大変な費用をかけてする必要があるのかとの批判があったが，その都度考えなければならないテーマに事欠くことなく，続けられている。５月に実施する集会だからこそ意義がある。弁護士会さえもが，憲法記念日に則したこうした集会を開催できなくなってしまうことになったらお終いであると思っている。
岡山弁護士会の行事に江川さんに講演してもらうのはこれで２度目である。弁護士会館が完成して，会館で記念の市民法律講座を開催したときにきていただいた。その時はオウム事件について話してもらった。今回は，裁判員制度がテーマである。えん罪を防ぐという観点から裁判員制度をとりあげているところが，弁護士会主催の所以であろうか。裁判員制度はどうしたら有罪と認定できるだろうか，刑はどのくらいが妥当なのだろうかなどといったことが，話題となっている。しかし，もともと裁判員制度は，どのような観点でみれば，無罪の人を有罪としないですむかということから検討された制度なのである。疑わしきは被告人の利益にの当たり前の原則を，いかに虚心坦懐に貫くことができるか否か，そのことが裁判員制度の成否に関わっている。その意味では法律家ではなく，まさに市民の判断が求められているのである。いまある，危険な議論に押し流されてはならないと思っている。その意味で多くの人に参加してもらいたいイベントである。
江川さんは，私の著書「マチベンのリーガルアイ」の帯を書いていただいたジャーナリストである。私もこの集会でお会いできることを楽しみにしている。