裁判員裁判へ

2008年5月11日

来年5月からは,裁判員裁判が始まる。そのことに向けて,最高裁,法務省は多額の予算を使って広報活動をしている。今日は,岡山弁護士会主催で「裁判員裁判〜えん罪を防ぐのはあなた」と題して集会が開催された。志布志事件で無罪となった元被告人の方も参加してのシンポジュームもあった。裁判員裁判に関して,こうした観点から取り上げることができるのはやはり弁護士会しかなく,江川さんの批判的な意見のなかから対応すべき事柄,問題点を浮き彫りにしていくことができたのではなかったのではないかと思う。

今月号の「世界」で,裁判員裁判の特集が組まれている。早速,紀伊国屋に寄って買い求めた。ざっと眼をとおしたが,裁判員裁判に関して議論の状況を知ることができる。多くのえん罪事件を生み,疲弊した今までの制度を改革すべく,国民参加の司法制度を求めて実現した制度である。完全には,求めた通りのものにはならなかったが,国民参加の意義を消し去ってしまうような議論は止めた方がいい。しかし,いろいろと論議されている批判的意見は,これからの裁判員制度を育てていくために,生かしていけるような取り組みが必要である。まだまだ取り調べの可視化など,裁判員制度実施までには解決していかなければならない問題がある。こうした問題に国民的な議論の高まりのなかで,少しでも欠陥を克服しながらのスタートとなるのだろう。江川さんとは死刑の問題,刑の重罰化の問題,被害者参加の問題などでは,私とは結論を異にすることがあると感じ,今後機会があれば,いろいろと話をしてみたいと思った。

そっと,法律関連コーナーに立ち寄ったところ「マチベンのリーガルアイ」が数冊,平積みされていた。この本の帯には江川さんが「できれば弁護士の世話にはなりたくない。でも河田先生なら,またお世話になりたい」という気恥ずかしくなる帯を書いて頂いている。まだ,本を置いて頂いていることに書店の有り難さを感じたとともに,まだ残っていることの残念さをも感じた。ちらっとその書籍を見ただけで,すぐにその場から離れた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Links

Calendar

  • 2024年7月
    « 5月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    293031