裁判所の事件出張処理

2008年5月14日

岡大のロースクールでの講義を終えて事務所に帰って,今度は弁護士会の司法問題対策委員会に出席した。そこでは,今年度の委員会活動の方針が協議された。私は,地裁委員会,家裁委員会の弁護士委員バックアップを担当することになっている。司法改革のなかで,裁判所の運営に民意を反映させるという趣旨でできたこの画期的な委員会を,眠らせてしまってはならないという役割を担っている。今日の委員会審議のなかで,裁判所の「出張事件処理」ということが話題となった。全国各地の簡易裁判所,家庭裁判所出張所の統廃合が進んでいく中で,廃止となった簡易裁判所,家庭裁判所の出張所のある市役所の施設を利用して,廃止後も裁判所が出向き,調停事件を行うことができる制度があるそうだ。こんな制度があるなんて,全く知らなかった。関係の役所に問い合わせても,そうした制度の存在を知っている人には接することができなかったようだ。裁判所は,その制度の存在を全く広報していない。我々が知らないぐらいだから一般の方々が知っているはずはない。このような状況で利用実績がないので,予算はついていないようである。裁判所からは,利用実績がほとんどない,予算がないなどの理由で、この制度の廃止について,非公式に弁護士会に意見を聞いてきたようだ。身近に「司法」があるというメリットを,なんらの広報活動もないまま消滅させようとしている。おそらく,全国的に同じような動きがあるはずである。極めて重要な問題であると思われるが,制度存続のために目立った動きに接していない。弁護士も,そんなに不便で,時間のかかるところにはいきたくないという本音があるせいか,,,,,,。

この委員会を終えて,所属している国際奉仕団体の例会に出席した。ミヤンマーのサイクロン被害への援助についての協議があった。中国の地震の被害についても話題となった。二つの悲惨な被害が報道されているが,中国の被害はテレビでは映像が流れ,被害実態について知らされるが,ミヤンマーではその映像さえ,報道されない。その国の政治情勢が,国際的な援助を拒否している。そのことによって,日々命の危険にさらされている多くの救われない人々が生まれ、被害が拡大している事実がある。中国では,それでも聖火リレーは続けられる。何かが犠牲になっている。この団体では,ホームレス支援活動をしているが,市会議員をしているメンバーが,今年にはいって2度も女性の妊娠しているホームレスの相談にのることになったことを聞いた。きょうの国会では,道路特定財源を実質的に維持する法律が成立した。道路にまつわる権益は守られ,後期高齢者の福祉,医療は削減される。命が軽んじられる社会である。

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