思わず憲法読み返す

2008年5月31日

憲法9条には「国権の発動たる戦争と,武力による威嚇又は武力の行使は,国際紛争を解決する手段としては,永久にこれを放棄する」とある。クラスター爆弾禁止条約に日本が署名することに日本が最後に署名したとのニュースが報道されていた。条約は、目標識別能力と自爆装置が付いた最新型の一部を除く、あらゆるクラスター爆弾の使用・開発・製造を即時禁止し、8年以内に保有爆弾を廃棄することを定めるものである。アメリカ,ロシア,中国が参加しないものの,世界110カ国の合意によるものである。こうした条約には日本が一番早く手を挙げ,日本こそが中心的な役割を担ってまとめる国であると私は思っていた。

無差別な絨毯爆撃に使用され,使用されたあとも不発弾による住民の被害が多いと聞く。しかし,武器に人道的なものはなく,すべて人を殺すために存在するのであって,人道的武器があるかのような考えは滑稽である。すべての武器は禁止されるべきである。しかし,少なくともクラスター爆弾は非人道的であるとの合意ができた。「武力による威嚇又は武力の行使」を放棄しているのだから,この条約に日本が率先して合意するのは当然である。

今回のニュースを聞いて,日本がクラスター爆弾を持っているという事実を知った。これまた驚きであったが,抑止力として保持しているそうだ。使いもしない,使うあてもない「非人道的」爆弾を,武力による威嚇を憲法として禁止しているにも関わらず,当然のごとく所持していたのである。それ故,今回の署名に最後まで躊躇していたとのこと。あわてて,憲法9条はどんんば規定だったか,読み直したところだ。まあ,こんなところで驚くのはおかしいのかもしれない。防衛目的と名が付けばあらゆる兵器は所持できると政府は考えているのだから。最低限の面目は保ったかもしれないが,世界に誇る戦争放棄の憲法を持つ日本としてはお粗末な対応である。

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