特商法,割賦販売法の改正

2008年6月2日

火曜日のロースクールの講義の準備をしていた。今週は,特商法をとりあげる。昨年,同じ講義を担当したのだから,昨年のものを「使い回し」すればさほど準備は必要ないはずである。しかし,昨年の講義の進め方で私自身,反省することもあり,内容はいろいろと工夫しながら変えている。何よりも民法とか刑法などの基本法と異なり,消費者法の分野は,動いている社会に機敏に対応していかなければならない使命を持っていて,法改正が頻繁になされ,新しい判例の動きにも常に眼を向けておかなければならない。そのため,なんだか毎回の準備は,論文一つを仕上げるような気持ちになる。

特商法は,この国会で改正が実現するはずである。改正の目玉の一つは,訪問販売などの指定商品制がなくなり,基本的にすべての商品に適用となるのである。今までは,被害が多発してくるとそれを指定商品としてリストアップし,その商品についてのみクーリングオフなどの消費者救済の権利行使ができるようになっていた。悪徳業者は,こうした指定されていない商品を選んで商売をするのである。そして,新たな被害がでてくるとそれを指定商品として指定するのである。こうして,多くの商品が指定商品となっていった。もはや,一部の商品に限定する意味はなくなったし,被害が多発するのを待ってしていすることは後追い行政と言われても仕方がない状況であった。

今週の講義の材料には,この改正の問題も取り入れた。昨年は,消費者団体訴権が消費者法改正で生まれ,施行前の状況であったが,制定に至った経緯などを講義したが,今年は改正がなされたことは前提としての話となる。こうして,常に動いている現実の社会に密着した科目で,いつもその最前線の話ができるようにしたいと思っている。こうした,地味な法律に関しては,国会の状況がよくわからないけれども,与野党対決法案ではないし,既に法案もでているので,既に改正されているか,会期中に成立するのは間違いないと思う。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Links

Calendar

  • 2024年4月
    « 5月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930